~支え合う安心社会の実現に向けて~
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これまでの活動

社会的養護で暮らす中高生へ。先輩学生からのメッセージ①

講演「社会的養護から進学するということ〜私の体験〜」

講師:蛯沢光さん(NPO法人なごやかサポートみらい 理事長)

蛯沢さんってどんな人?

蛯沢さんは、親の経済的理由から施設へ、高校3年生までの10年間を養護施設で過ごしました。福祉系大学に進学し、卒業後、学童保育所の指導員として勤務。その後、NPO法人ひだまりの丘にて、家庭保育室始め7施設の立ち上げに関わります。現在は、同法人の副理事長・事務局長を務めています。

また、20歳の時になごやかサポートみらいを立ち上げ、施設や里親家庭などで暮らす社会的養護を必要とする子どもたち・出身者のサポートを行っています。なごやかサポートみらいでは、相談事業なども行なっているので、進学のことだけでなく、心配なことや不安なこと、悩みごとがあったら、思い切って連絡してみるのも◎。

施設や里親、学校など以外にも、相談できる場所があるということも知っておくと、いざという時に心強い!

なごやかサポートみらい

蛯沢さんからのmessage

施設や里親家庭などから出るときに一番心配なのがお金のこと。生活費や学費の心配です。でも、日本は世界でも大学の授業料が高い国で、施設や里親家庭で育った子どもたちだけでなく、進学する学生たちの半分は奨学金をもらっています。私自身、社協さんから借りた無利子のお金を施設に預けて、必要な時だけ送ってもらうようにしていました。使わなければ借金にはならないので、4つのアルバイトをかけもちして、できるだけそのお金には手を付けないようにしていました。

給付型の奨学金は申し込んでも大半が落選でした。自分の夢を一生懸命書いて落とされるとやるせない気持ちになりますが、給付型のものにどんどんチャレンジしてほしいです。

大学や短大への進学を考えたら、まずはシュミレーションしてみましょう。自分だけで考えるのもいいけれど、人生の先輩たち、里親さんや職員さんにも相談してみると、ヒントがもらえることがあります。「わからないから一緒に考えて」「しんどいから助けて」って言えない人は大人にもたくさんいます。でもそれを言えることが大事。そして、行動してみること。行動に結びつけることも大切です。

目標・目的が明確にあると、不安を乗り越え力になるとも思います。

情報提供「社会的養護の奨学金」

水野梨沙さん(NPO法人なごやかサポートみらい)

水野さんからのmessage & 奨学金情報

給付型の奨学金がたくさんできてきましたし、児童施設や里親家庭出身などの子どもたちが進学する社会を当たり前にという思いを持って助成をする企業も増えています。ですが、子どもたちに届いているとは言えない現状があります。

奨学金情報には、各施設宛に来ているものもあります。職員さんや里親さんも一緒に目を通して、コミュニケーションを取りながら、奨学金に関する情報を子どもたちと共有してほしいと思います。

周囲の大人は、子どもたちに情報提供をすることで、子どもたちの教育の権利を保障することが大切ではないでしょうか。子どもたちが夢に進んでいけるサポートを!

※令和元年に全国児童養護施設協議会が作成した「就学・就労などに係る奨学金等各種支援制度等一覧」に多くの情報が掲載されています。
http://www.zenyokyo.gr.jp/whatsnew/h30_seidoichiran.pdf