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これまでの活動

福岡いのちの電話「自殺予防公開講座」を開催しました

3月20日、福岡市のレソラホールで社会福祉法人福岡いのちの電話と共催で自殺予防公開講座を開催しました。

横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で埼玉学園大学客員教授でもある山本晴義さんを講師に迎え、「コロナ禍のメンタルヘルス~ストレス一日決算のすすめ~」と題してお話をしてもらい、聴講者120名余りが聞き入りました。

講師の山本晴義さん

山本さんは、メンタルヘルスに関するメール相談を2000年から開始。2022年1月までに15万件の相談に一人で回答してきたとのことです。その経験から、臨機応変に柔軟性をもって相談者の立場で対応することや、24時間以内の返信の重要性、「サポーターとしてあなたを心配している」というメッセージを送ること、などメール相談の基本的な態度について話し、実際に受けた相談の内容や回答の事例を紹介しました。

また、「うつ」への対応として、本人の立場での対応と周囲のサポートについて解説。そして、健康的なライフスタイルのために「週単位の生活」よりも「一日決算主義の生活」を推奨し、「運動」「労働」「睡眠」「休養」「食事」の5要素+「家事」を、毎日きちんと行っているかをチェックすることを呼びかけました。

2021年度の自殺予防公開講座の様子

コロナ禍では、普通の生活を喪失してしまう不安や、いつ感染するか(させるか)わからない不安などがあり、見えないストレスや緊張の持続で体調を崩してしまうこともあります。「自分の好きなことを楽しんだり、自然と触れ合ったりするなど、日常生活の中ですぐにできるストレス解消法をたくさんもって実践をすることが大切」と語り、最後に「今日生きていることを幸せに思ってください」と締めくくりました。

2021年の自殺者数(確定値)は、前年より74人少ない2万1007人で2年ぶりに減少しました。しかし、人口10万人あたりの自殺者数を示す「自殺死亡率」は全体で16・8となり、前年より0・1ポイント上昇。また、女性の自殺者は2年連続で増加しているといったたいへん悲しい傾向が見られます。一人でも多くの貴重な命を救えるように、この講座がその一助となれば、と願っております。