~支え合う安心社会の実現に向けて~
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事業のご報告

オンライン講演会「精神障害のある人へのアウトリーチサービスがあたりまえになる社会」~どんな時もつながりを途切れさせないために~を開催しました

精神障害のある人が地域で豊かに暮らしていくことを支えるアウトリーチ支援(訪問支援)の本質、今後の可能性を探る講演会を、2020年11月21日(土)にオンラインで開催しました。障害のある当事者やそのご家族、日々の支援にあたる医療・福祉関係者など、北海道から沖縄まで、全国の約80人が参加し、一人ひとりにできること考える機会になりました。

コロナ禍を受けて、「ひと」と「ひと」との間に、物理的な距離を保つことが必要になる中、「どんな時もつながりを途切れさせないこと」の大切さにあらためて気が付いた2020年。
若者支援、ピアサポーターの活躍など、「つながり」をつくっていくための、多様なアウトリーチ支援にについて、メンタルヘルス診療所しっぽふぁーれ院長伊藤順一郎さん進行のもと、認定特定非営利活動法人 スチューデント・サポート・フェイス 代表理事の谷口仁史さん、兵庫県但馬県民局豊岡健康福祉事務所(保健所)所長の柳尚夫さんにお話を聞きました。

まずはじめは、地域社会に暮らしながら、人とのつながりが希薄になってしまい、孤立状態やひきこり状態にいる子ども・若者とのかかわりについて、「不登校、ひきこもり、ニート等アウトリーチを用いた多面的アプローチ~社会的孤立・排除を生まない支援体制の確立に向けて~」をテーマに谷口さんにお話しいただきました。
谷口さんは、人とのつながりを維持する力が弱くなってしまっている人への、社会参加・自立に向けた支援を責任を持って行っていくために、多職種で連携しサポート。様々な機関や地域の方々との出会い、「つながり」をつくってこられました。その際「価値観のチャンネルを合わせること」が大切だと語りました。

柳さんには、「地域をつなぐアウトリーチ支援とピアサポート体制の充実」というテーマでご講演をいただきました。
地域に訪問看護はあっても、多職種によるアウトリーチはない、保健師が訪問しても、本人にはほとんど会えないといった課題を背景に、柳さんは、保健所長として、ピアアウトリーチの体制を確立してこられました。
ピアサポーターが保健師と一緒に訪問することで、本人にもご家族にも変化が生まれたのはもちろん、ピアサポーターのリカバリーにもつながり、保健師自身の考え方の変化も生まれたと言います。ピアによるアウトリーチは、保健師だけの訪問では、出会うことさえできないひきこもっている精神障害のあるご本人に出会うことができ、地域社会資源に参加することを後押しできる、とピアサポーターによるアウトリーチ支援の可能性を語りました。

最後は、伊藤さんに進行いただき、参加者からの質問をもとに、谷口さん、柳さんの3人による、意見交換を行いました。
広い多職種連携を実現していくうえでのポイントとして、柳さんは「目指しているところが同じであることが大事」と述べ、谷口さんは、支援の際に活用されている「共通のアセスメント指標」を紹介しました。
また、「アウトリーチは、環境にもかかわれるのが強み」という伊藤さんの投げかけに対し、「当事者が活動しているところ見せていくことで、社会の偏見がとけていくのではないか」と柳さんは考えを示し、谷口さんも、実践されている職業体験(職親制度)を例にあげ、職親さんにかかわり方を体験していただくことで「誤解や偏見も少なくなる」と語りました。伊藤さんは「体験の共有」の大切さを強調されました。

このように、ピアサポーターや専門職、そして地域住民が広く連携し、ご本人との体験を共有していくことが、精神障害のある人が地域で豊かに暮らしていける社会の実現につながっていくと考えられます。
今後も、当事業団では、そんな社会の実現を目指した取り組みを様々な形で継続していきます。

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