~支え合う安心社会の実現に向けて~
朝日新聞厚生文化事業団は「福祉を支える地域づくり」「福祉を担う人づくり」「支援の輪づくり」を軸に社会福祉事業に取り組んでいます。

朝日新聞厚生文化事業団トップページ 最新のお知らせ 自殺予防公開講座「思いとどまってもらうために」を開催(福岡)

これまでの活動

自殺予防公開講座「思いとどまってもらうために」を開催(福岡)

2月23日、福岡市の都久志会館ホールで社会福祉法人福岡いのちの電話と共催で自殺予防公開講座「思いとどまってもらうために」を開催しました。

講師に奈良大学・文学部教授で万葉学者でもある上野誠(うえの・まこと)さんを迎え、「万葉集から読み解く万葉びとのこころ」と題した講演を行い、聴講者130名余りと共に自殺予防の方策につながる糸口を探りました。

上野先生は「『いかに健康に長く生きるか』を考えたら、例えば医学部の先生から話を聞くと良いかもしれない。私は文学部の教授だが、古典をもとにして『どのように生きるのか』という話ができます」と語り、イザナキノミコトやイザナミノミコトの神話から読み取れる人間の愛憎や死生観などについて講演が展開されました。

上野先生は地元の福岡県の出身でもあることから時折トークには博多弁も入り、ユーモアあふれる話に会場が笑いに包まれる場面もありました。

2019年の自殺者数(速報値)は「初めて2万人を下回った」とのことで、自殺者の総数は10年連続での減少となりました。が、一方で電話相談に従事しているスタッフの実感では「相談の内容が、より深刻になっている」「相談の時間も長くなっている」ということです。一人でも多くの貴重な命を救えるように、この講座がその一助となれば、と願っております。