~支え合う安心社会の実現に向けて~
朝日新聞厚生文化事業団は「福祉を支える地域づくり」「福祉を担う人づくり」「支援の輪づくり」を軸に社会福祉事業に取り組んでいます。

朝日新聞厚生文化事業団トップページ 最新のお知らせ 「ひとり親をめぐる現状と施策~今求められていること~」を開催しました(東京)

これまでの活動

「ひとり親をめぐる現状と施策~今求められていること~」を開催しました(東京)

ひとり親をめぐる現状と施策を考えるためのシンポジウムを、4月20日、東京都千代田区の有楽町朝日スクエアで開催。約100人が参加しました。

まず、法政大学大原社会問題研究所教授・藤原千沙さんの基調講演「ひとり親をめぐる現状と施策」では、統計を元にした経済的困難の実態や、施策の在り方について解説。他国との比較の中で、日本の母子世帯は就労率が高いにも関わらず貧困状態から抜け出しづらいという構造上の問題点や、所得再分配の効果が少ないなどの特徴について解説がありました。

一方、ひとり親を支える施策について、現金給付が縮小された流れについて整理をしつつ、サービス給付の一つである日常生活支援事業などを例にとりながら、実施状況についての自治体格差を指摘し、政府の役割や責任の大きさについて言及しました。

続いて、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長の赤石千衣子さんからは、「ひとり親の福祉をより充実させるために」というテーマで、長年支援に携わる中で寄せられている当事者目線での困難について報告がありました。ひとり親の生活実態と現状の施策のギャップを指摘する中で「全体としてどうなのかという検証が必要」とし、児童扶養手当の拡充などを訴えました。

後半のパネルディスカッションでは、シングルマザーの当事者と、進行役として朝日新聞社の杉原里美記者が加わり、ライフステージごとの当事者から見た困りごとや、移住支援などを始めとする各地の自治体の取り組みと課題点などが話されました。また、当事者の方からは、「社会の実態が変わっていく中、制度の外にいる人たちの声を聞いて制度改革に反映させていくことが大事」との声があり、ひとり親の声を響かせながら、多様な家族のかたちを前提とした社会をめざすことの必要性が話し合われました。