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事業のご報告

高次脳・大阪講演会 報告

11月4日午後1時から4時まで、大阪市西区土佐堀1丁目の大阪YMCA会館ホールで、高次脳機能障害講演会「医療と連携、リハビリから就労へ」を開催。160人の来場者がありました。

まず、国立障害者リハビリテーションセンター企画・情報部高次脳機能障害情報・支援センター長の深津玲子さんが、国の高次脳機能障害支援の経緯を語り、高次脳機能障害の定義、就労の福祉サービスついて述べました。

深津さんは、高次脳機能障害の「高次」について、柿を例に、まず脳は視覚情報として色、形としての柿を捉え、甘くておいしい果物として意味情報を伝える、次にこの柿を取るのかどうかという判断をするが、ここまでのプログラミングは「高次」の脳の役割で、取るという実際の行動は運動系の脳が司るとのこと。高次脳機能障害は、このプログラミングの部分に障害があると説明。全国の相談支援体制の整備では、2018年4月1日現在の支援拠点機関数は、全国に103ヵ所で、支援コーディネーターは382人。この支援拠点機関が、地域の中で医療と福祉、労働、地域の連携を進めているが、地域差があるとのこと。また、これまで福祉サービスが65歳を境に、介護保険に移行していたが、18年からいくつかの要件を満たす必要はあるが、そのまま福祉サービスを受けることができるようになったと話しました。

次に、はしもとクリニック経堂院長の橋本圭司さんと、高次脳機能障害当事者の白井伊三雄さん、奥様の京子さんが鼎談をしました。伊三雄さんは、脳動静脈塞栓症という全国でも症例がないめずらしい病気で、働き盛りの時に仕事中に倒れ、記憶力などが損なわれる重度な高次脳機能障害を負いました。その伊三雄さんが、何気なく吹いた口笛に、京子さんが疲れた時にとても癒やされたそうです。その時京子さんは「主人のCDをつくりたい」と思い立ち、関係者の協力を得てこの度制作にこぎつけました。その経緯を10分にまとめた映像が上映され、その後、本人が見事な口笛で「上を向いて歩こう」「アメイジンググレイス」を朗々と披露。会場から感動の拍手がわき起こりました。

休憩をはさみ、シンポジウム「医療と連携、リハビリから就労へ」を開催。橋本圭司さんがコーディネーターを務め、パネリストとして、堺市を中心にさまざまな機関と連携しているなやクリニック高次脳機能障害担当医の納谷敦夫さん、横浜で、生活、就労支援をしているクラブハウスすてっぷなな統括所長の野々垣睦美さん、全国7ヵ所に事業所をもち、就労移行支援に特化して活動を行っている特定非営利活動法人クロスジョブ代表理事の濱田和秀さん、アドバイザーとして深津玲子さんが登壇。さまざまな課題とともに、地域でどのような支援が行われているのかが話し合われました。

最後に、橋本さんは、多岐にわたる症状をもつ高次脳機能障害だが、他の発達障害や認知症も、別の角度からみれば同じ症状。障害の枠にとらわれず本人中心の支援が必要と力説し、16、7年前に家族会が火付け役となった高次脳機能障害の福祉も次のステージに入り、何事も当事者中心で進められることが大切と結びました。

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