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事業のご報告

フォーラム「認知症カフェからの出発」を開催しました

認知症がある人やその家族、ボランティアや認知症のことが気になる地域の人たちが集う「認知症カフェ」の活動を通して、認知症がある人も暮らしやすい地域づくりを考えるフォーラムを、2月3日(土)、東京・浜離宮朝日ホール小ホールで開催しました。「認知症カフェからの出発」と題した当フォーラムには、約180人が集まり、「認知症カフェ」を、今後どのように発展させ、地域で支えていく仕組みをつくっていくのか、意見を出し合いながら考えました。

武地一・藤田保健衛生大学教授による基調講演「認知症カフェの次のステップとこれから求められる役割」に始まり、2016年度と17年度に当事業団で実施した「ともにつくる認知症カフェ開設応援助成」の贈呈団体から、3団体が実践報告を行いました。

東京都の「特定非営利活動法人若年認知症交流会小さな旅人たちの会」は、代表の高橋惠美子さんと共に、メンバーの若年性認知症の女性がご夫婦で登壇し、若年性認知症専門のカフェの重要性を語りました。京都府で、在日コリアンの高齢者らを対象にしたカフェを運営している、「特定非営利活動法人京都コリアン生活センターエルファ」の李英玉さんには、多文化共生のまちづくりについて聞きました。山梨県の身延山大学では、学生が中心になって認知症カフェを運営しており、登壇した学生らが、カフェが子どもの学習支援の場にもなっていることを報告。今後の広がりや、大切にしたい視点について考える機会になりました。

その後のシンポジウム「認知症のご本人の視点と認知症の人を地域で支えるための取り組み」では、2006年~16年まで福岡県大牟田市の地域包括支援センターや同市保健福祉部長寿社会推進課などで、認知症ケアコミュニティ推進事業などを実践されていた梅本政隆さん(厚生労働省社会・援護局地域福祉課)や東京都町田市いきいき生活部高齢者福祉課地域支援係の米山雅人さんらに、それぞれの地域での取り組みについて聞いたほか、山梨県北杜市の一般社団法人だんだん会理事長の宮崎和歌子さんに、同会が行っている地域で支える活動、「認知症カフェ」「訪問看護」「定期巡回」「グループホーム」などの連動について、発表していただきました。

町田市からは、米山さんのほか、認知症のある人の「本人会議」などを開催しているNPO法人「ひまわりの会・まちの保健室」室長平田容子さん、町田市在住の認知症の当事者の方、「Dカフェ」(認知症カフェ)を行政やNPOと一緒に開催しているスターバックスコーヒージャパン株式会社町田金森店ストアマネージャーの林健二さんにも登壇いただき、行政、認知症の当事者、民間企業、それぞれの視点から「認知症のあるご本人の声から生まれた取り組み」について聞きました。

フォーラムの最後は、ワークショップ。参加者同士が活発に意見を交換し、それぞれが「次の一歩」を決め、新たな出発となりました。

また、会場ロビーでは、当事業団が2016年度、17年度に実施した「ともにつくる認知症カフェ開設応援助成」の贈呈団体によるポスター発表も行い、盛りだくさんの1日でしたが、最後まで熱心に見聞きする参加者の姿が見られました。

さらに、フォーラムの特別プログラムとして、「1日限りの認知症カフェ」を会場隣の築地浜離宮ビルの「フルーツパーラー コリント」で開催しました。

認知症に直面している当事者に利用していただける本格的な「認知症カフェ」を目指しながら、カフェの居心地の良い雰囲気と入りやすい開かれたカフェにするために、街中の店舗での開催にこだわりました。今回は、「コリント」に多大なご協力をいただき、実現することができました。また、当日の運営は、大分県由布市の介護老人保健施設「健寿荘」に全面的にご協力をいただきました。カフェのスタッフとして、「健寿荘」で開催している「オレンジカフェ由布」から、認知症のご本人と奥さま、介護を経験されたご家族、同施設の職員の方々にお越しいただき、訪れた人たちに、カフェに人を呼ぶ方法や心地良く過ごしてもらう工夫についてのアドバイスもしていただきました。

「コリント」の店内には「オレンジカフェ由布」の様子を伝えるポスターが貼られ、認知症や介護に関するパンフレットが置かれました。また、「オレンジカフェ由布」のプログラムで認知症の方が作ったブローチも並びました。「オレンジカフェ由布」が「出張カフェ」と呼ぶ活動をする際などに販売し、その売り上げをレクリエーション費用にあてたりしているそうです。

フォーラムの前日、2月2日(金)には、当事業団の助成金贈呈団体を対象にした研修会を開催。社会福祉法人大阪ボランティア協会常務理事の早瀬昇さんを講師に招き、贈呈団体4団体によるカフェでの活動の報告と意見交換、ワークショップを行いました。ワークショップは、活動を進める中で出てきた「当事者の参加が少ない」「運営のあり方」「スタッフ不足」などの悩みをグループで話し合い解決策を探る内容。28団体の70人が参加し、活動を続けていくためのヒントを得るとともに、互いの交流を深めました。

当事業団では、認知症になっても住みなれた地域で暮らせる、そんな社会の実現へ向けた取り組みを、これからも様々な形で行っていきます。

朝日新聞2月16日付生活面(18-1323)
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