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自殺防止公開講座「自殺!?ちょっと待って!」を開催しました

10月25日、福岡市の都久志会館で自殺を防ぐために何ができるのかを考える公開講座が開かれ、精神科医で作家の帚木蓬生さんの「病的ギャンブリング」の現状と対策についての話に約270人が耳を傾けました。

厚生労働省の研究班が発表した、ギャンブル依存症の疑いがある人は推計536万人。成人全体で4.8%、男性に限ると8.7%を占めます。韓国の6倍、米国の3倍にあたり、世界のほとんどの国では成人の1%前後にとどまっているのに比べて、日本の割合は高い水準です。また、ギャンブル依存者の約60%に、500万円以上の借金があるという報告もあります。自殺との関連では、1年以内に自殺を考える人は一般の約10倍、生涯では約40倍になるともいわれています。

帚木さんによると、ギャンブル嗜好は男性で18歳(女性は24歳)から始まり、27歳(女性は31歳)でギャンブルによる借金を負うことになります。ギャンブルの中心はパチンコ、スロットが9割を超えています。ギャンブル依存者は自分の気持ちを言わなくなり、ウソといいわけで人間が変わってきます。負の影響は周りの多くの人を巻き込み(特に妻)、本人以外の人が悩みの末に病気になってきます。が、本人はギャンブル中毒により、脳の判断力が偏り、ギャンブル以外のことではケロッとしています。

また、帚木さんは日本がギャンブル大国である実態が社会に認識されていないと述べ、精神科医、行政の不作為、警察、法律家たちなどの罪を指摘。これ以上増やさないように依存症への予防と早期発見の環境作りをする必要があると話されました。

わが国の年間自殺者数は、4年連続で減りましたが、依然として多くの方々が自殺でお亡くなりになっている現実に変わりはありません。自殺の原因は多くの場合いくつもの要員が重なっています。尊い命をなんとか守れないか、私たちにできることは何なのか...。を考えさせられました。