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事業のご報告

第60回記念朝日夏季保育大学を開催しました

保育従事者の技術と教養の向上のために始まり、60回目を迎えた朝日夏季保育大学を7月26、27日に長野県諏訪市の駅前市民会館で開き、保育士をはじめ幼稚園の先生など、「乳幼児の健やかな育ち」を願うのべ約900人が参加しました。

オープニングは、作家で子どもの本の専門店クレヨンハウスを主宰する落合恵子さんの講演「子どもと絵本~この時代を生きる~」。
落合さんは、東日本大震災で被災した人に絵本を送るプロジェクト「HUG&READ」などの活動に触れながら、「子どもたちが、産まれてきて良かったと思える社会と時代をつくる責務が私たちにはある」と語りました。また、目の前の子どもや離れた地域で暮らす子ども、これから産まれてくる子どもと向き合うために、子どもの頃の自分や自分自身に向き合うことの必要性を説きました。

続いて、白梅学園大学の汐見稔幸さんは、日本の子どもの自尊感情の低さを、複数の調査などをもとに解説し、ありのままの子どもを受け止めることの大切さを語りました。また、「本来必要な『褒め方』は、その子らしさを認めてあげること」と話し、子どもの絵を褒める場面の例をあげて具体的に説明しました。

初日の最後の講演、「子どもの最善の利益を考慮した保育の実践」で、武蔵野大学客員教授の網野武博さんは、「子どもの行動を『反抗』と思うのは、力関係の有利な大人の立場からのとらえ方。子どもを人として尊重する視点でとらえれば、意見や思い、願いをぶつけていると理解できる」と話し、「子どもを尊重し、信頼し、見守る」ことの必要性を繰り返し述べました。また、「声なき声も含めて子どものニーズを受け止め、寄り添う保育をしましょう」と呼びかけました。

2日目の午前中は、絵本作家の長谷川義史さん、歌手のおおたか静流さん、ミュージシャンでマジシャンの大友剛さんによるステージ、「絵本と音楽とマジックの世界~子どもの世界を彩る3つの魔法~」。
長谷川さんによる、絵を描きながら物語を展開する「ライブ紙芝居」、絵本の朗読、ウクレレの演奏、おおたかさんの歌遊び、大友さんのマジック、ピアノ・ピアニカの演奏など盛りだくさんのステージが展開されました。
歌と演奏に合わせて長谷川さんがイメージを描く「ライブペインティング」では、赤ちゃんをテーマにしたおおたかさんの歌に合わせて、長谷川さんは、お腹の中にいる赤ちゃんのイメージを描きました。
大友さんは、マジックを披露しながら、東日本大震災の被災地で子どもたちにマジックを教えたときのエピソードを紹介。「マジックを覚えた子どもが、親や周りの人に披露し、みんなが笑顔になった。マジックを通して子どもが自信を持ってくれたら」と話しました。

午後は、朝日夏季保育大学で、近年特に力を入れている「発達障害の子ども」に関する講座。今年は、児童精神科医の藤岡宏さんに発達障害の子どもをはじめすべての子どもが安心して暮らすために有効な「構造化」について解説していただきました。
藤岡さんは、構造化を、活動場所の環境を整える「物理的構造化」と予定を視覚的に理解するための「スケジュール」、子どもが自立的に活動するための「ワークシステム」、視覚的にものごとを理解するための「視覚的構造化」に分類。「構造化は考える力を身に付け、育てるもの。成長に合せて構造化も変えていく必要がある」と話し、構造化の工夫や改善方法を具体的に説明しました。
また、「人と違っているのはすばらしいこと」という安心感を、子どもに育んで欲しいと、参加者に語りかけました。

第60回記念の最後の講座は、社会運動家の湯浅誠さんによる「貧困の実態~次世代のためにすべきこと~」。
湯浅さんは、「主に経済的な理由で他の子どもができていることができない状態にいる子どもたちの存在は、見ようとしなければ見えない」と話し、困難な状況に置かれる子どもの実態を解説。「子どもを支えることは社会をも支えること。様々な課題に向き合い、豊かな社会を作る人になりましょう」と参加者にエールを送りました。

テーマと講師、スケジュールは次の通り(敬称略)。

7月26日(金)

10:10~10:30 開校式
10:30~12:00 「子どもと絵本~この時代を生きる~」
落合恵子/作家・本の専門店クレヨンハウス主宰
  昼食休憩
13:00~14:30 「子どもの自尊感情を育むー保育の専門性の向上のための大切な視点」
汐見稔幸/白梅学園大学学長、東京大学名誉教授
14:45~16:15 「子どもの最善の利益を考慮した保育の実践」
網野武博/武蔵野大学客員教授

7月27日(土)

9:30~12:00 「絵本と音楽とマジックの世界~子どもの世界を彩る3つの魔法~」
長谷川義史/絵本作家、おおたか静流/ヴォイス・アーティスト、大友剛/ミュージシャン、マジシャン
  昼食休憩
13:00~14:30 「一人ひとりに安心できる環境を~構造化と再構造化~」
藤岡宏/児童精神科医
14:45~16:15 「貧困の実態~次世代のためにすべきこと~」
湯浅誠/社会運動家

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