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仲間とつながって見えたこと「ぴあ」がつくる「居心地の良い場所」とは

これまでの活動

【開催報告】ぴあラボフォーラム2026
仲間とつながって見えたこと「ぴあ」がつくる「居心地の良い場所」とは

2026年3月15日(日)、「ぴあラボフォーラム2026」をオンライン(Zoom)で開催しました。当日は、東京から南は沖縄まで、各地から当事者、支援者、そしてピア活動に関心を持つ多様な立場の方々にご参加いただきました。

活動概要

本フォーラムは、当事者や支援者といった枠組みを超え、「ぴあ」というあり方を探求する有志による「ぴあラボ実行委員会」と共に開催しました。実行委員会では、これまで、ヤングケアラーとしての経験や、精神疾患のある親に育てられた子どもの立場など、異なる背景を持つメンバーが一緒に、「ぴあとは何か」を問い続けてきました。今回は、これまでの歩みをまとめたぴあラボ報告書「ピアを探求」を使いながら活動報告をを行うとともに、「場所が居場所になるまでのプロセス」を参加者と共有し、「居場所とぴあのあり方」を共に考えることを目的としました。

報告書「ピアを探求」はこちらからご覧いただけます。

対談「居心地のよい居場所って?
― 多様な生き方を支える『場』のあり方を考える ―」

プログラムの前半では、ゲストの高槻市社会福祉協議会の木村幸嗣さんと若者の居場所「たべねろ」を運営する実行委員の山中葉月さんによる対談が行われました。はじめに、木村さんから地域サロンや子ども食堂など高槻市の事例を通じ、居場所についての話題提供がありました。

その後の対談では山中さんから自身の体験や、現在運営している「たべねろ」でのエピソードが語られました。また、居場所を考えたときの「安心安全な場を守ること」と「多様な人に開かれた場であること」のジレンマについて、対話が繰り広げられました。また、ルールがなくともお互いを気遣い合える「ちょっとすみません」と言い合える関係性の尊さが語られました。

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グループワーク「みんなで考える 居場所×ぴあ」

プログラムの後半では、「みんなで考える『 居場所×ぴあ』」をテーマに、グループワークを実施しました。「対談の感想と自分がイメージするピアについて」「自身の活動や想いの原点について」「もし自分が欲しかった場を作るとしたら」という3つのステップで意見が交わされました。

参加者の声

フォーラム終了後、ご参加の皆様からいただいたアンケートから、フォーラムを振り返ります。

1.深い満足と学びを実感

対談やグループワークを通して「ピア」について考えを深めることができたこと、自身の経験を振り返る機会となったこと、他者の話から新たな気づきを得られたことで、学びが深まったとの声が寄せられています。

2.対話を通じた気づきと広がり

参加者同士の対話の中で、ぴあの活動における悩みや工夫が共有され、「グランドルールの必要性」と「居心地の良さとのバランス」といった運営上の本質的な課題への気づきが得られたという声もありました。

また、地域を越えて多様な実践に触れられたことは、「刺激的で学びになった」との意見もありました。

3.「居心地のよい居場所」の共通理解

「安心して弱さを出せる」「しんどいと言いやすい」「自分のペースでいられる」「一人でいても見守られる」といった声が寄せられました。

これらの声から、居場所とは、単に存在するものではなく、「安心感」と「選択の自由」が保障された空間であることが重要であると整理できます。

さらに、居場所は関わる人々が対話や試行錯誤を重ねながら「共につくり続けていくもの」であるという認識も示されてました。

4.過去の経験から見える必要な支え

「あの頃あったらよかったもの」として、安心して話せる場や仲間、自分を守れる環境、自分らしく過ごせる空間があげられました。

これらは、現在の居場所づくりの重要性を語るもので、経験に基づいた切実なニーズであるといえます。

また、教育や制度面における支援体制の不足についての指摘もあり、個人の努力だけでは補えない課題も明らかになりました。

5.ピアの関係性の再定義

参加者の声の中で特に象徴的であったのは、「支援する側・される側」という上下関係ではなく、「共に居場所をつくる協働の仲間である」という認識でした。

利用者とスタッフが一体となり、空間や雰囲気を共につくることが、それぞれにとって安心できる居場所につながるという視点は、今後の運営において重要な指針となるものだと感じました。

6.今後への期待

今後のテーマとしては、「ピアとしての喜びを感じた経験を共有したい」という前向きな意見が挙げられました。

実行委員の声

本フォーラム終了後の実行委員の感想も一部紹介します。

  • 活動を振り返り言葉にする作業は苦労の連続だったが、肩書きを捨てて人間として対等に向き合うことの大切さを再確認できた 。
  • ピアとは何かという問いに明確な答えはないが、模索し続けるプロセスそのものが私たちの力になっている。
  • 誰かを否定せず、一人ひとりが居心地のいい場所を作っていく。その連鎖がピアサポートの本質ではないか 。
  • 参加者の声の中で特に象徴的であったのは、「支援する側・される側」という上下関係ではなく、「共に居場所をつくる協働の仲間である」という認識でした。利用者とスタッフが一体となり、空間や雰囲気を共につくることが、それぞれにとって安心できる居場所につながるという視点は、今後の運営において重要な指針となるものだと感じました。

結びに、地域福祉の現場から知見を共有していただき「ぴあと居場所」についてご講話してくださいました木村さまに心より感謝申し上げます。私たちは今回のフォーラムでの経験や思いを原動力としてこれからも活動を継続してまいります。