東日本大震災救援事業のご報告
東日本大震災(2011年3月11日)では、当事業団独自の救援事業を継続して実施しています。日ごろの福祉活動を生かし、子ども・障害のある人・高齢者に焦点を当てた以下の事業で、皆様から寄せられた震災救援事業への寄付を活用させていただいています。
現在継続して実施している独自の救援事業
- こども応援金
- 津波などで両親を亡くした子どもに「応援金」(一人150万~300万円)を直接、贈り届けており、202人に計4億8850万円を渡すことができました(13年10月現在)。さらに周知の努力を続けています(こども応援金指定のご寄付の受け付けは終了しました)。
- 子どもへのグリーフケア
- 大切な人を失った悲しみや苦しみを整理して受け止め、自分らしく歩んでいくための支援を「グリーフケア」と呼びます。震災で大切な人を亡くした子どもを支援する拠点として、「子どもグリーフサポートステーション」を12年9月に仙台駅前に開設(同名のNPO法人が運営)。学習支援や遊びを通じてスタッフが子どもに寄り添う「子どもの集い」を定期的に開催、これまでに延べ250人が参加しました。保護者の相談や支援者の養成にも力を入れています。 「子どもたちのグリーフサポートを考える全国集会」を13年3月に仙台で、米国ハワイでグリーフケアを実践しているシンシア・ホワイトさん、作家の落合恵子さんらを講師にシンポジウムを6月に東京、大阪で開催しました。 また、こうした子どもたちのための「グリーフキャンプ」を日本キャンプ協会、日本YMCAと一緒に、12年3月から13年3月までに台湾、朝霧高原(静岡)、余島(香川)で実施しました。
- 陸前高田に「朝日のあたる家」
- 津波により壊滅状態になった岩手県陸前高田市の米崎町に13年2月、「朝日のあたる家」を開設、地域の交流拠点として動き出しました。木造約240平方メートルで、四つのホールがあり、NPO「福祉フォーラム・東北」のスタッフ4人が運営。心と体の健康、認知症、介護などの相談室のほか、「認知症カフェ」(毎月第4木曜)やグリーフケアのための「子どもの集い」、ミニリサイタルなど、さまざまな催しを開いています。
- 被災地ビジット
- 被災地の仮設住宅や幼稚園・保育園、小中学校、障害のある人や高齢者の施設に、音楽家らと一緒に訪問し、楽しいひととき、安らぎの時間を過ごしていただく訪問事業を実施しています。11年秋からバイオリニストの川畠成道さん、バイオリニストの千住真理子さんとピアニストの山洞智さん、歌手のおおたか静流さんとピアニストでマジシャンの大友剛さん、高砂部屋の力士らがこれまでに計65カ所を訪れました。
- 岩手の障害のある人を支援
- 岩手県内で被災した障害のある人を中心に、地域で自立した生活が送れるように、障害のある当事者による支援活動を続けています。12年度は宮古市から陸前高田市までの150キロを障害のある人が歩きながら「復興計画」などにバリアフリーの視点を盛り込むように訴える「みちのくTRY」の準備が柱となり、8月19~31日の本番では、避難の妨げになる段差の確認や避難訓練などを行いながら、毎日30~40人が行進しました。
震災直後に実施した独自の救援事業
朝日新聞厚生文化事業団は2011年3月末に緊急対応で独自の震災救援事業を実施し、救援募金のご寄付とは別に事業団会計から計2千万円を支出しました。
- 障害のある人たちの全国ネットワークで、震災直後から現地を含め救援活動を続けている「東北関東大震災救援本部」の岩手、宮城、福島の現地本部設立のために1050万円を助成
- 福島県いわき市内で被災し、さらに福島原発事故の影響で東京都新宿区の戸山サンライズに避難した障害のある人の当面の生活費などに充てるため、「東北関東大震災救援本部」に450万円を助成
- 重度の障害のある人や高齢者が避難所でプライバシーを確保するために間仕切りセットを設置した社会福祉法人「AJU自立の家」に500万円を助成(さらに12年度に震災救援事業への寄付から1300万円を助成)
救援募金の寄付の贈呈先
東日本大震災の救援募金(当事業団の震災救援事業への寄付を含む)のご寄付は約9万件、36億4000万円にのぼっています(13年9月現在)。このうち、いわゆる「義援金」として寄託された分や、使途についてのご意思が確認できない分については、お預かりしたお金として、24億6691万9348円を以下のように配りました。
- 宮城、岩手、福島各県2億円の計6億円
- 震災孤児・遺児のための指定で宮城県2億5千万円、岩手県2億円、福島県5千万円の計5億円
- 日本赤十字社4億6741万9348円
- 宮城、岩手、福島、茨城の各県社会福祉協議会1億円の計4億円
- 福祉施設・団体などへの助成金として宮城、岩手、福島の各県共同募金会に1億円の計3億円
- 災害ボランティアセンター運営費として市区町村の社会福祉協議会70団体に計1億9千万円
- 福祉施設に放射線量測定器250台を配るため福島県社会福祉協議会に1250万円
※2011年7月7日以降2012年3月末までに「東日本大震災救援募金」に寄せられたご寄付(銀行振り込みは7月11日以降送金分から)は、原則として朝日新聞厚生文化事業団にご一任いただき、朝日新聞厚生文化事業団独自の震災救援事業に使わせていただいています。
救援事業への寄付
専用窓口を使った東日本大震災の救援募金は2012年3月末で締め切りましたが、当事業団の震災救援事業へのご寄付は引き続き受け付けています。
郵便振替
口座番号00130・1・9166(朝日新聞厚生文化事業団)
※朝日新聞厚生文化事業団への通常の寄付と同じ口座のため、通信欄に「寄付(東日本大震災救援事業)」と明記。紙面掲載(千円以上)と領収書をそれぞれ「希望する」か「しない」か、お書き添えください。
銀行振り込み
銀行振り込みはご寄付の方法・ちょコム募金からお願いします。備考欄に「東日本大震災」とお書きください。
インターネットでのクレジットカードによる支払い
NTTスマートトレード株式会社の協力で、インターネットでのクレジットカードによる支払い「ちょコムクレジット支払い」でも東日本大震災救援事業への寄付を受け付けています。VISAとマスターカードが利用でき、カード情報と金額を入力するだけで寄付ができます。ご利用ください。