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これまでの活動

「大学ボランティアセンター公募助成」活動報告会を開催しました

6月19日(日)に、「2019年度台風19号 大学ボランティアセンター公募助成」事業活動報告会を開催し、7団体から合計18人(学生・卒業生10人、大学教職員8人)が集まりました。

2019年10月に発生した台風19号は、東日本地域を中心に広範囲にわたり甚大な被害をもたらしました。中長期的な活動に役立ててもらえるよう、当事業団では、同年度に「台風19号災害大学ボランティアセンター公募助成」を実施し、9団体に1団体50万円を上限とし、総額約410万円を助成しました。

助成団体の活動が本格化していく矢先、感染が拡大していった新型コロナウイルス。活動の制限が余儀なくされる状況が続きました。そのため、助成活動対象期間を延長し、各団体の活動を継続して応援してきました。

コロナ禍で思うように活動をできない中、工夫をしながら活動を実施できた団体もあります。各団体が助成対象期間内の活動をいったん終えたことをふまえ、6月19日(日)に、活動報告会を開催し、各団体が活動を通して得た経験や学びを共有しあい、相互交流を深める機会としました。

活動報告会

7団体のうち3団体(福島大学災害ボランティアセンター、中央大学ボランティアセンター、淑徳大学地域支援ボランティアセンター)より、「コロナ禍に災害支援と向き合って」というテーマで、活動の実践発表を行いました。

各団地からは、次のような気付きや活動の工夫が語られました。

  • 私たちの活動が楽しみで生きがいだったと言ってくださる方がいる限り、皆さんのためにも活動を続けていく意義があると思っている。コロナ禍でも違う方法でアプローチをしていくことが大切なのだと思う。
  • 行政支援が行き届きにくい地域での支援では、自分ごととして災害をとらえ、待っているだけでなく自分たちで復興をしていくという意識の強さを感じた。横のつながりが強いからこそ、共同体感覚が大きい地域だった。復興への意識の差には、横のつながりの存在が大切だと感じた。
  • ソフト面での支援を予定していたが、感染拡大防止の観点から、仮設住宅等での住民との関わる支援は中止になってしまった。この度の受け入れ団体の皆さんは情熱があり、復興に対して前向きな方が多いのが印象的だった。これまでの経験から、後ろを向きながら前に進んでいる人も多いと感じていた。今回、前向きな人との関わりが多かったが、その裏にはトラウマを抱えていたり、復興に対して消極的だったり、後ろを向いている人もいると感じた。被災地における光の姿だけでなく、その陰にある被災地の全貌を想像力をふくらませて考えることが大事だと非常に感じた。
  • パネルシアターキャラバンを予定していたが、現地を訪問することがかなわず、急きょDVDを作成し、現地の保育園や幼稚園にお届けする活動に変更をした。実際に子どもたちが目の前にいないので、どのように進めればいいか苦戦した。マスクをしていたので顔の表情が伝わらない。どうすれば子供たちが笑顔になるか考えながら、楽しさや温かい空気感が、DVDを通じて現地の子どもたちや先生方に伝わればと思いながら演じた。
実践発表の様子。

続いて、大阪ボランティア協会理事長の早瀬昇さんによるワークショップ。「『つながり』を活かした活動展開に向けて」をテーマに、講義とグループワークを行いました。
災害時だけでなく、災害後の復興にかかわる皆さんの取り組みの共有も連携であることを確認し、それぞれの団体の強みを生かし、弱みをカバーしあえる関係を作るために何が必要かを考え、意見交換をしながら、「つながり」を活かした活動を進めるためのポイントについて、アイデアを出し合いました。

参加者からは

  • 支援に向かった際の地域の状況を発信できるプラットフォームがあったらよい。
  • 福祉、教育、食など様々な分野で活動をしているので、お互いの強みを理解して、どんなボランティアをするのかというニーズを考えることで、対象から抜けてしまう人へもアプローチができるのではないか。
  • 交流を意識しながら、連携していくことが大事。コラボレーションをして地域に対してアクションを起こす取り組みにつなげていきたい。
  • つながるメリットをどうつくるか、共通の目的をつくることでつながりを維持していけ、効果的な取り組みになるのではないか。
  • 大学のたてのつながりを充実させていきたい。

といったアイデアが出されました。

早瀬昇さんによる講義の様子。

終了後は「他大学の発表や報告を聞きとても勉強になりました。ボランティアというひとつのくくりですが、がれき撤去をはじめ食や保育教育・高齢者福祉など、それぞれが様々な分野で活躍していくことができるのだと交流を通して学びました。」などの感想が寄せられました。

活動報告会に参加した団体の皆さん。

参加団体

宮城県 仙台大学 災害ボランティア派遣組織 健康づくり運動サポートグループ
宮城県 宮城大学 みやぎ食の応援団
福島県 福島大学 災害ボランティアセンター
千葉県 淑徳大学 地域支援ボランティアセンター
東京都 中央大学 ボランティアセンター
静岡県 常葉大学 ThunderBirds(サンダーバード)
大阪府 大阪公立大学 ボランティア・市民活動センターV-station

災害時の早期活動を支援するネットワークづくり

今後起こるかもしれない大災害に備え、大学ボランティアセンターのみなさまが発災から速やかに現地での活動支援に入ることができるよう、その初期活動の資金を助成するためのネットワークを作っています。

すでに、10大学のボランティアセンターとそれぞれ協定を結んでいます。この度の贈呈団体にも、参加を呼びかけました。趣旨に賛同いただいた団体と協力関係を築き、特に発災直後(概ね3カ月ほどまで)の活動を後押ししていきます。