これまでの活動
第66回 朝日夏季保育大学を開催しました
保育士や幼稚園教諭ら、乳幼児の育ちにかかわる人たちが実技講習を受けたり最新の子どもたちに関する動向を学ぶ「第66回朝日夏季保育大学」を7月19日、20日、長野県諏訪市の諏訪市文化センターで開催し、2日間で約1,000人が参加しました。
今年度は「子どもの自己決定とは?」というテーマで、子ども自身が主体的に社会に関わり、いかに自身の将来に明るい希望を持ちながら過ごしていけるか、それを実現するために、子どもと関わるすべての人たちがどのような視点を持つべきかを考える機会としました。
1日目は、3名の講師が登壇されました。
ミュージシャン、マジシャン、翻訳家の大友剛さんは、子どもの世界を彩る3つの魔法(マジック、音楽、絵本)を使いながら、オープニングステージを披露しました。豊かな表現力で繰り広げられるステージに、参加者も大友さんが繰り出すたくさんの魔法を堪能することができました。
山梨県立大学教授の西澤哲さんは、虐待を受けた子どもたちが、本来の自分を取り戻すために必要なことは何かというテーマで話され、周囲の人が関わるうえで大切にしなければならないことなどを、時折ユーモアを交えながら話しました。
玉川大学教授の大豆生田啓友さんは、子どもの自己決定を育む保育と題して、子ども自身が主体的に関わっていくために周囲の人たちの支え方などについて、保育現場での実際のエピソードの紹介を交えながら、自己決定を支援することの大切さについて、話されました。
2日目は4名の講師が登壇されました。
諏訪保育園園長の島本一男さんは「食育」について、「食育」の持つ可能性はもちろん、「食」から広がる子ども自身の生活、食育の本質を考えながら、保育の中で給食が果たす役割などについて話がありました。
鶴見短期大学部教授の天野珠路さんは、「災害時、保育園等に求められることとは」というテーマで、昨今の様々な自然災害が多発している中で、災害時に保育園が求められることや、子どもの心身を守り支えるために行うこと、日頃から準備しておくべきことなど、現場での実践につなげられるような視点で話がありました。
保育コミュニケーション協会代表の松原美里さんは、「保育士コミュニケーション講座」を開催、子どもたちにより良い支援を行うために、同僚の保育士とのチームワークの醸成など良好な関係を築くには、どのようなことを心がけたら良いのかなど、グループワークなどを交えながら、現場での実践につながる話がありました。
育児漫画家の高野優さんは、「心豊かに子育て支援」というタイトルで講演し、イラストを描きながら、話をするという独特のスタイルで、ご自身の育児に関するエピソードを交えユーモアたっぷり、そして、感動的なエピソードも交えながら話されました。最後にはじゃんけん大会を開催、参加者の笑顔が自然と出てくるような時間を過ごしました。
2日間の講演を通じて、参加者の皆さんが学ばれたこと、経験されたことが、日頃の子どもたちとのより良いかかわりにつながっていく一助になれば、主催者といたしまして、 この上ない幸せです。
そして、これからの新しい社会を担う子どもたちへの支援がさらに充実し、子どもたちが自分たちの未来に明るい可能性を見つけ、着実な歩みをしていけるような社会となりますよう、心から願っております。