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これまでの活動

朝日こどもの貧困対策フォーラム ~ともに考えよう こどもたちの未来~

16年度に始動した「朝日こどもの貧困助成」事業では、全国各地で活動を展開している10団体への助成が確定しました。そして、3月19日(日)には、贈呈先の団体による活動報告と、子どもの貧困問題への学びを深め、共有する機会として、「朝日こどもの貧困対策フォーラム~ともに考えよう こどもたちの未来~」を東京都中央区の浜離宮朝日小ホールにて開催しました。

基調講演には、立教大学コミュニティ福祉学部教授の湯澤直美さんを招き、「こどもの貧困の現状と未来につなげる支援」という演題で講演いただきました。湯澤さんは、子どもの貧困問題の背景には雇用劣化や家族機能低下など複合的に問題が絡み合っていることを指摘し、雪だるま式に親や子どもが抱える問題が大きく膨れ上がっていくと説明。また、動画を交えながら、子どもたちが育まれていく中で「重要な他者」や「ななめの関係」が必要だと訴え、「1人の100歩よりも100人の1歩が大事です」と、連携の大切さを呼びかけました。

その後、今回の贈呈先を代表して、「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」理事長の鮫島浩二さん、「認定NPO法人 フードバンク山梨」理事長の米山けい子さん、「特定非営利活動法人 心音」理事長の安徳建二さんに、それぞれの活動報告をいたただきました。

鮫島さんは、産婦人科医の傍ら特別養子縁組事業を続けており、全国へのネットワーク展開を紹介。若い女性の相談件数が比較的多いことなどを説明したのち、育てられない実母へのケアや、養親との丁寧な関わり事例を紹介し、活動の意義を伝えました。

米山さんは、フードバンク事業を展開する中で出会ってきた方々とのエピソードを交えつつ、「みなさんも賛同から参画へ、ぜひ歩み出してほしい」と呼びかけました。

鹿児島県の沖永良部島で活動する安徳さんは、離島ならではの特性を説明。豊かな自然に囲まれ、子どもたちがのびのびと育まれる環境がある一方で、データをもとに島の子どもの貧困率が本島に比べ高い割合にあることを指摘。そのような中、多様な大人が関わりつつ、多面的に子どもたちを支える様子を紹介しました。

フォーラムの最後には3団体の皆さんと、朝日新聞大阪本社生活文化部記者の山内深紗子さんをパネリストにお招きし、パネルディスカッションを実施。進行役は、「子どもの貧困対策センター 公益財団法人あすのば」代表理事の小河光治さんに務めていただきました。山内さんは、子どもの貧困問題をめぐり「解決模索型報道」としてのメディアのあり方について言及し、会場の関心を集めていました。そのほか、業界を超えた連携のあり方や、とりわけ優先度の高い問題についてなどが話されました。