これまでの活動
第63回 朝日夏季保育大学を開催しました
保育従事者の技術と教養の向上のために始まり、63回目を迎えた朝日夏季保育大学を、7月22日、23日に長野県諏訪市文化センターで開催しました。保育士をはじめ、幼稚園の先生ら「乳幼児の健やかな育ち」を願う、のべ約700人が参加しました。
オープニングは、シンガーソングライターの新沢としひこさんに飾っていただきました。ピアノやギターを演奏しながら、手話ソングや体操が盛り込まれた贅沢なステージが実現。アンコールでは「にじ」が披露され、会場は大いに盛り上がり、保育大学が幕開けしました。
その後、元立教女学院短期大学教授の今井和子さんが「子どもたちの自己肯定感を育む保育」をテーマに講演。実際の保育現場の映像などを交えつつ、保育者に必要な視点や、今日の子どもたちの課題や自己肯定感を育むことの大切さについて述べました。
続いて、国立がん研究センター中央病院・緩和医療科ホスピタルプレイスタッフの小嶋リベカさんにご登壇いただきました。演題は「グリーフを抱える子どもにとっての"あそび"~だいじな人を喪失した子ども、親が病気の子どもに寄り添う経験から~」。親を亡くした子どもの心の動きを描いた絵本やご自身の経験を例に、子どもたちの心への寄り添い方や、あそびの意義などを話しました。
2日目の最初は、東洋大学教授の角藤智津子さんによる「あたりまえの音楽について、もう一度考える」と題した講演。歌とピアノの演奏を交えた講義から、子どもたちにどのような音楽環境を整えていけるかを学びました。
続いて、横浜市東部地域療育センターの安倍陽子さんに、「保育現場での"気になる子"の理解とかかわり」についてお話いただきました。誰もが安心して暮らしていくために有効な「視覚支援」や「構造化」の内容、家族との連携や現場でできる工夫について、事例を挙げながら解説しました。
午後は、白梅学園大学教授の師岡章さんによる講演、「子どもらしさを大切にする保育」。自身の保育士としての経験をもとに、子どもたちの日常的な行為や情動に焦点をあて、それぞれの子どもらしさを理解し大切にする保育のあり方について述べました。
保育大学最後の講座は、初の試みであるグループワーク。帝京大学教授の清水玲子さんをコーディネーターとして迎え、「ここだから言える本音から保育を考える」をテーマにワークショップを開催。全国から集まった参加者が約50グループに別れ、保育の悩みや子どもたちへの思いを共有しました。グループワーク終了後は、代表の5グループが話し合いの内容を発表し、活発な意見交換がなされました。