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これまでの活動

自閉症カンファレンスNIPPON~TEACCHモデルに学ぶ実践研究会(東京)

自閉症の人たちへの支援会議として国内最大級の「自閉症カンファレンスNIPPON 2015」を8月22日、23日、東京都新宿区の早稲田大学で開催。14回目となる今回は全国から福祉・教育・医療関係者、家族ら約900人が参加しました。

川崎医療福祉特任教授の佐々木正美さんの開会宣言に続き、TEACCHプログラムディレクターのローラ・クリンガーさんの講演「大人になった自閉症~TEACCHの成果~」。TEACCHプログラムが成人期の自閉症の支援にどのような影響をもたらしたかを就労に焦点をあてて解説。

午後はノースカロライナ大学元TEACCH部部長ゲーリー・メジボフさんの「自閉症の人への支援をどう構築するか」で、自閉症支援の基本となる考え方や姿勢について確認しました。

2日目には、ローラ・クリンガーさんが「自閉症の人へのトータルサポート」として、TEACCHプログラムを用いて、生涯にわたって自閉症の人の自立を支援する具体的な方法についてお話しいただきました。

続いての講演は佐々木正美さんの「自閉症の子どもへのまなざし」。支援をするときに、支援者の価値観に自閉症の人を合わせようとするのではなく、自閉症の人の持つ世界や文化に支援者が入っていくという姿勢が、より生活しやすく、学びやすい環境を創造していくことにつながると強調。後半には、早稲田大学教授の梅永雄二さんと福島大学大学院教授の内山登紀夫さんが、自閉症の家族や親との関わりをご自身の経験を振り返りながら語りました。

最後の講座『「自閉症の支援でもっとも大切なこと」~コアバリュー2015~』では、適切な支援に必要なことは「自閉症を正しく理解すること」をメジボフさんが訴えました。

分科会では「スケジュール」、「はじめての構造化」、「アクティビティー」の3つのテーマごとに、合計15の国内の実践報告が行われました。また、自閉症カンファレンスNIPPON実行委員会による、入門解説講座「基礎からの構造化」、「基礎からの評価と自立課題」や特別講座の「医療サポートセミナー」、「コミュニケーション機器セミナー」に加え、当事業団制作のDVD「自閉症の人が求める支援~構造化」や「自閉症の人が見ている世界」の上映も行いました。今回の2日間も自閉症カンファレンス実行委員長の佐々木さんを中心に延べ100人を超えるボランティアスタッフによって滞りなく運営されました。