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朝日チャリティー美術展初日、中島千波さんらがトークセッション

朝日チャリティー美術展が今年で90回を迎えることを記念して、トークセッション「芸術の力」が、松屋銀座近くの銀座フェニックスプラザで催された。

初日の6日は、日本画家で東京芸術大学名誉教授の中島千波さんと、中島さんの研究室出身の日本画家の高橋浩規さん、同じく中島研の出身で、現在東京芸大デザイン研究科助手を務める洋画家の小柳景義さんの3人が、「新風」と題して話をした。

今回の美術展に出品した各自の作品についての解説がまず行われ、引き続き創作の際に使用している画材や道具の実物を前に並べ、作品の描き方に関する技法の説明なども行われた。司会は佐藤美術館学芸部長の立島惠さんが務めた。

中島千波さんは、薄い桃色の花を描いた「雛芥子」という作品を出品。「若い頃は、和風の花を描きたくなくてポピーなどをよく描いていたが、雛芥子は久しぶりに描いた作品」と説明。

透明感のある筆致で竹林で遊ぶスズメを描いた絵を出品した高橋さんは「スズメには日本的な和を感じる。日常にいるのに派手でないため余り描かれないスズメがかなり好き」と題材によくしている理由を説明した。

果実のデコポンの周りに、小さな人や馬がいるというユーモラスな作品を出品した小柳さんは、現代をうまく絡めた、社会の縮図を描きたかったと作品の意図を解説した。

3人は司会者から、これから挑戦してみたい題材は何かと尋ねられ、中島さんは「カムチャッカやエトナ山など世界の山を描いてみたい」と述べ、高橋さんも「富士山を、いつか大きくびょうぶなどに描いてみたい」と抱負を話した。小柳さんは「時代物を深く掘り下げてみたい」と、これから制作したい作品の希望を述べた。

最後に教え子の二人に対し、中島さんが「人に左右されず、自分の持っている世界観を思いっきり表現していくことが大事だ」とエールを送り、初日のトークセッションが終わった。

トークセッションは8日(日)と美術展最終日の9日(月)にも催される。8日は、洋画家の絹谷幸二さんと、息子で彫刻家の幸太さん、娘で日本画家の香菜子さんの親子によるトーク「これからの日本を担う子どもへの美の教育」。9日は、日本画家の千住博さんと妹のバイオリニスト千住真理子さんによるトーク「だれもがより良く生きるために」が行われる。