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講演会「ひとり暮らしの認知症」を開催しました

ひとり暮らしの人が認知症になった場合、どのようにしたら介護を受けながらひとり暮らしを続けることが出来るのか、など考える講演会「ひとり暮らしの認知症」を2月1日午後1時から、浜離宮朝日ホールで開催しました。

講師には、地域の第一線病院で長年に渡り認知症の方や家族らと関わる医師の杉山孝博さんと、ひとり暮らしの認知症の友人を介護者・任意後見人として支えるノンフィクションライターの中澤まゆみさんをお招きしました。

第1部では、中澤さんが「認知症のおひとりさまを支えて」と題し、認知症の友人を介護者・任意後見人として支えた10年間の経験から、友人への支援がどのようなものであったか、また認知症の人をどのように支えたらよいかについて講演しました。お話の中で、おひとりさま高齢者の味方として成年後見制度について紹介し、また自分が受ける医療やケアについての事前指示書を準備することを提案しました。

続く第2部では杉山医師が、「認知症をひとりで過ごす」と題して、自身の医師としての診療経験と認知症の人と家族の会で感じたことなどをふまえ、講演しました。はじめに、認知症高齢者介護の現状やひとり暮らしの認知症の人への地域での取り組みについて紹介し、また認知症の特徴的な症状を「認知症の9大原則」として、具体的事例を交えて話しました。お話の中で、認知症の人を支援するには認知症の人の特徴をよく理解することが必要だと述べました。

締めくくりの第3部は、会場から寄せられた質問を中澤さんが取り上げ、杉山先生が答えるという形で進めました。「認知症は自分で気づくことができるか」という質問には、初期だと自分で心配になって調べる人も多い、もの忘れをすることが多くなったと思ったら医療機関に相談することや、チェックシートなどを使って調べたりするのがよい、というお話がありました。また、「介護疲れでうつになるという問題に対しては、どうしたらよいか」という質問には、認知症をよく理解することや早期に受診すること、当事者の会へ参加することなどが必要だと語りました。

参加者からのアンケートには、「父の介護をしている時に聞いていたら、もっと父にやさしくできたかもしれない」「認知症について、医師の立場・介護者としての立場の方から具体的なお話が聞けてよかった」「自分は認知症のケアが専門だが、改めて参考になった」というような感想が寄せられました。

対談中の杉山孝博さん(右)と中澤まゆみさん(左)