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これまでの活動

自殺防止公開講座「自殺!? ちょっと待って!」を開催しました。

11月9日午後2時から、福岡市の都久志会館で約200人の聴講者を前に、自殺防止公開講座を開催しました。

1998年以降、毎年3万人を超えて推移していた、我が国の年間自殺者数は、昨年、15年ぶりに3万人を下回りました。とはいえ、依然として多くの方々が自殺でお亡くなりになっている現実に変わりはありません。尊い命をなんとか守れないか、私たちにできることは何なのか...。を考え、今年で9回目を迎えた講座には作家であり、反貧困ネットワーク副代表でもある雨宮処凛さんを招き、インタビュアー・岩﨑生之助(朝日新聞記者)さんによる対談形式で、自殺者数の高い水準が続いている若者に焦点を当て、若者の生きづらさについてお話を聞きました。

雨宮さんは自らの経験や取材結果を紹介しながら、自殺者が3万人を下回ったことについては、自殺は単に個人的な問題ではなく、背景に社会、経済、時代の空気などの問題があるという啓発が行われ、社会全体で自殺防止に取り組むことが社会にとっても個人にとってもよいという認識が共有されてきたことが大きいと語り、20代の高い自殺水準については勉強するだけで債務(奨学金)を抱え、返済のためにブラック企業でも就職してしまう。過労死寸前になる人もいれば、絶望して自殺する人もいると話され、SOSを発信するには自己肯定感が必要で「自殺したい」と言ってくれる時点でハードルはクリアーしている。惨めな思いをした人たちは弱みを知られたくない意識がある。日頃からの付き合いで「助けて」を言ってもらえる仲になっている人間関係が大事。SOSを言ってもらえる自分かどうか、すごく気にしているとも語られました。

終了後のアンケートでは、「本人の体験の説得力、力強さを感じた」「若者にとって、厳しい現実があるということを改めて気づきました」「処凛さんの『ここに人間がいる』を感じた」と多数の感想が寄せられました。