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朝日のあたる家(岩手)
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市米崎町に「朝日のあたる家」を造りました。木造平屋建て床面積約240平方メートル。大小4つのホールや和室、キッチンがあり、プロジェクターなども備えられています。
復興へ向けた取り組みを当事業団やNPO法人「福祉フォーラム・東北」(新田國夫会長)などの団体がともに支援していく拠点にします。また、誰でも気軽に立ち寄り、日ごろの疲れをとったり、仲間と情報交換したりするスペースやミニコンサート、勉強会の場所としての活用も予定しています。
建設費は約5000万円で、朝日新聞厚生文化事業団の震災救援事業に寄せられた寄付が充てられました。運営は福祉フォーラム・東北が担い、当事業団も積極的に関わっていきます。
施設の名称は昇る太陽の光があたる場所にちなんでいます。早朝、日の出の時間に建物を見ると、まさに名前の通りの光景を目にすることができます。
13年2月17日の開所式には地元の関係者らを含め約70人が集まり、戸羽太・陸前高田市長が「みんなが集える場所ができたことは市民の喜びです」とあいさつしました。
式では復興途中の三陸海岸とれたての牡蠣(かき)や昆布、特産の野菜の煮物やおもちなど、素朴で豪華な料理が、当日の運営を手伝ってくださった地元のみなさんの手によって振る舞われました。地元・地域の方々の期待がたくさん込められた、とても温かな会となりました。
イラストレーターの和田誠さんに寄贈していただいたグランドピアノもご本人の紹介で披露され、和田さんの友人のジャズピアニスト佐山雅弘さんによる演奏もありました。
当分の間はスタッフ3人が常駐し、気軽に立ち寄っていただく「お茶飲みスペース」として運営するほか、被災した子どもたちの「グリーフサポート」プログラムの実施や「認知症カフェ」など、地域の方々との交流の企画を進めていく予定です。
被災地では新たに認知症と診断される高齢者が相次いでいます。仮設住宅など新たな環境での生活を強いられ、部屋に閉じこもりがちになり、認知症の症状が悪化したり、顕在化したりしていると考えられています。
被災地や被災地以外の住民、医師、看護師、介護サービス従事者などが職種を超え、被災地を支援する「包括的ケア体制」が望まれており、福祉フォーラム・東北と当事業団は、「朝日のあたる家」を拠点として、現地に密着した、こうした在宅ケア事業を構築することを目指しています。
※福祉フォーラム・東北は、朝日新聞厚生文化事業団に寄せられた東日本大震災救援募金によって運営されています。
主催
朝日新聞厚生文化事業団、NPO法人 福祉フォーラム・東北