これまでの活動
「子どもシェルター」の講演会を札幌と和歌山で開催しました
家庭の中で虐待を受け、必要な支援を受けられず、孤立し、心身がぼろぼろに傷ついている子どもがいます。
こうした10代後半の子どもたちのSOSを受け止める避難場所が、「子どもシェルター」です。
この「子どもシェルター」を札幌でNPO法人子どもシェルターレラピリカが、和歌山でNPO法人子どもセンターるーもが、2013年秋に開設します。
朝日新聞厚生文化事業団は、シェルターを必要とする子どもの現状と「子どもシェルター」を多くの人に知ってもらうために、札幌と和歌山でそれぞれの団体と一緒に講演会を行いました。
札幌:「子どもシェルターレラピリカ」と
「もうすぐ誕生! 子どもシェルター~居場所のない子どもたちのために~」と題して、3月16日、札幌エルプラザで開催し、250人が参加。
作家の落合恵子さんの講演と児童養護施設の施設長などでパネルディスカッションを行いました。
パネルディスカッションでは、「子どもが支配され従わされる構造が社会の中にある」という落合恵子さんの投げかけを受け、子どもの気持ちや意見を尊重した安心できる居場所としてのシェルターの必要性が話し合われました。
和歌山:「子どもセンターるーも」と
「夜回り先生」として知られる水谷修さんの講演と、すでに神奈川で子どもシェルターを運営している高橋温弁護士や児童相談所の児童福祉司などによるパネル討論を和歌山大学経済学部講義棟で3月23日に実施。260人が参加しました。
水谷さんは、「子どもがいきいきと生きるためには認められることが大切。否定し続け、自己肯定感を育むことができていないのが今の社会」と述べ、あるがままに子どもを受け入れることの重要性を話しました。
パネルディスカッションでは、困難な状況に置かれる子どもを支援するための制度が未整備であることが指摘され、シェルターの意義が確認されました。
児童福祉司の鈴木玲さんが、「子どもの居場所を奪ってきたのは大人。子どもに居場所を返さなければ」と、子どもを支援するための姿勢を提言し、講演会は締めくくられました。