~支え合う安心社会の実現に向けて~
朝日新聞厚生文化事業団は「福祉を支える地域づくり」「福祉を担う人づくり」「支援の輪づくり」を軸に社会福祉事業に取り組んでいます。

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これまでの活動

「自分を守るお金の知恵セミナー」を開催しました

先輩の体験と専門知識で描く安心の学生生活をおくるために

社会的養護を経験し、現在は大学や専門学校等で学ぶ学生を対象としたオンラインセミナー「自分を守るお金の知恵」を、2026年7月8日に開催しました。当日は11名(学生6名、奨学金団体関係者5名)が参加しました。

本セミナーは、奨学金制度を運営する5つの団体が協働し、自立後の金銭管理や公的な支援制度について、当事者の実体験と専門家のアドバイスを通じて学ぶことを目的としています。 当日は「先輩学生の体験談」「専門家とのトークセッション」「卒業までの収支計画を考えるワークショップ」の3部構成で、卒業まで安心して学び続けるための情報を共有しました。

【実施団体】

  • 一般財団法人ゼンショーかがやき子ども財団
  • NPO法人モバイル・コミュニケーション・ファンド
  • 公益財団法人教育支援グローバル基金
  • 公益財団法人資生堂子ども財団
  • 社会福祉法人朝日新聞厚生文化事業団

先輩学生の「リアルな失敗と工夫」から学ぶ

第1部では、現在大学で学ぶ3人の先輩たちが、自立生活における金銭管理についてありのままに語りました。工夫の例として、家計簿を毎週日曜日にリセットして支出を「見える化」し、予算の余りを楽しみのための貯金に回すといった、継続しやすい仕組みが紹介されました。

一方で、クレジットカードの使いすぎで生活が困窮した経験や、アルバイトを詰め込みすぎて学生生活の大切な時間を失ってしまった後悔など、失敗談も共有されました。これらに対し、コンビニでの無意識な出費を抑えるための「水筒持参」など、明日から実践できる身近な知恵が参加者に共有されました。

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専門家とのトークセッション:自立を支える制度と学業継続の条件

第2部では、奨学金アドバイザーの久米忠史さんより、学生が活用すべき「お金のルール」と「支援制度」が解説されました。
まず、社会的養護の経験者が利用できる「社会福祉協議会の自立支援資金貸付制度」が紹介されました。これは無利子で生活費や家賃の支援を受けられるだけでなく、卒業後に5年間就業を継続するなどの条件を満たせば、返済が免除されるという、自立を強力に支える仕組みです。

次に、働きながら学ぶ学生のための「勤労学生控除」について解説がありました。通常、アルバイト年収が110万円を超えると住民税が発生しますが、この制度を申請すれば134万円まで非課税となります。
給付型奨学金の受給額は「住民税の有無」で判定されるため、この「134万円の壁」を知らずに働きすぎると、結果として数十万円単位で奨学金が減額されるリスクがあることが強調されました。

さらに、2025年度から日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金継続基準が厳格化され、出席率が8割以下になると支給停止の対象となる実態も示され、学業と生活を両立させる重要性が改めて共有されました。

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ワークショップ:4年間の「隠れた出費」を可視化する

第3部では、卒業までの収支計画を作成するワークショップを行いました。1人暮らしには年間約150万円の支出が必要になるという試算に加え、見落としがちな「意外な出費」に焦点を当てました。

親知らずの治療費、パソコンの購入、成人式の準備、就職活動の交通費、そして卒業後から初任給をもらうまでの生活費など、先輩たちの実体験に基づいた具体的な項目が挙げられました。 一方で、当事者が利用できる「スーツ提供」や「振袖レンタル」などの支援情報も共有され、参加者は将来の資金計画をより具体的にイメージすることができました。

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参加者の声(アンケートより)

セミナー後のアンケートでは、以下のような感想が寄せられています。

  • 「日曜日に家計簿をつけるという方法なら、自分にも続けられそうだと感じた」
  • 「奨学金が減額される条件を知り、アルバイトの調整について危機感を持てた」
  • 「先輩たちの失敗談を聞くことで、自分だけが悩んでいるのではないと安心できた」
  • 「生活費以外にかかる具体的な金額を把握でき、将来に向けた貯金の必要性を実感した」

お金に関する知識を深め、活用できる制度を知ることは、学生たちが自身の夢や選択肢を守り、安心して生活を送るための基盤となります。社会的養護を経験した学生の皆さんが、経済的な理由で学業や自らの目標に挑戦する機会を諦めることがないよう、今後もこうした活動を継続してまいります。
本セミナーに登壇いただいた久米さん、ならびに企画運営に携わってくださった皆さん、そしてご参加いただいた皆さまに、感謝申し上げます。