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発達障がいの子どもと高崎健康福祉大学の学生が外遊びで交流
2025年11月22日、石川県穴水町の放課後等デイサービス・児童ホームあだぷとの子ども達のための外出支援として、高崎健康福祉大学の5人の学生のみなさんが現地を訪問しました。
地震発生からまもなく2年経ちますが、能登では現在も建物や道路などそこかしこに傷痕が目立ちます。発達障害がいの子ども達にとって、外遊びや外出の機会を確保することが難しいという課題があり、施設職員のみなさんと検討を重ねて、津幡町にある屋内施設・もりのひみつきちへ遊びに行く計画を立てました。
当日は朝から見事な秋晴れとなり、穴水駅前であだぷとのみなさんと合流して、貸し切りバス・チームあだぷと号に乗ってもりのひみつきちへ向かいました。補修が済んだ道路はところどころ大きく波打ち、バスはよく揺れました。現地では木製遊具でたっぷり体を動かし、みんなで元気に2時間遊びました。お昼には公園内の学習センターへ移動して、お弁当を一緒に食べました。子ども達と学生達はすっかり打ち解けて、笑顔と歓声が絶えない一日でした。
ほとんどの学生にとっては、初めての発達障がいの子どもとの交流でした。11月4日に実施した事前学習会では、あだぷとの職員からさまざまなレクチャーを受けて、本を読んで勉強してから活動に臨んだ学生もいました。今回のボランティア活動では、一人ひとりの子どもにしっかり向き合うことと、発達障がいの特性に配慮をすることを実践できました。子ども達の健やかな育ちを支える体験を積み、考察したことを、今後の学びにも活かしていただけることを願っています。
参加した学生の振り返りコメント(抜粋)
学生A(人間発達学部子ども教育学科3年生) 子どもの「自立」を促す支援のあり方
感想
小学生のような感想になってしまうが、純粋に楽しかった。
職員への気づき
職員がすぐに手を出さず、子ども自身の力でやらせようとする姿勢に感銘を受けた。
例
ロープ登りや水筒の開閉時、後ろから支えたり代わりにやってあげたりするのではなく、「〇〇くんならできるよ」と言葉で励まし、本人に「できた」という自覚を持たせていた。
学び
子どもの可能性を信じ、応援して見守る姿が印象的だった。
学生B(健康福祉学部健康栄養学科3年生) コミュニケーションの試行と「食」の視点
感想
会話が成立するか不安だったが、朝食の話題などで実際に話すとしっかり返答があり、自分から積極的に声をかける大切さを学んだ。
活動の様子
子ども達は活発で、一緒に追いかけっこや滑り台をして楽しんだ。
専門分野の視点
事前に本で学んでいた「こだわり」や「偏食」の特性を、実際の会話(同じものばかり食べる等)で確認できた。今後は、偏食のある子どもに対して親御さんを含めどのような指導、支援ができるか考えていきたい。
学生C(保健医療学部看護学科1年生) 「障害名」という先入観の払拭とわかりやすい伝え方
感想
当初は緊張して身構えていたが、子ども達の人懐っこさに救われ、心から楽しむことができた。
気づき
「自閉症」「障害」という名前(ラベル)だけで身構えるのではなく、目の前の子どもをありのまま受け入れることが大切だと痛感した。
職員への気づき
パニックを起こさせないよう、「こうしたらできるよ」と具体的かつ肯定的に声をかけていた。
学び
わかりやすく伝える技術は、子ども相手だけでなく、どのような場面でも重要だと感じた。
これらの活動は、日頃より温かいご寄付をお寄せくださる皆様のおかげで実現しています。被災地の復興には長い時間がかかりますが、皆様から託された想いが、地域の未来を形作る希望として静かに灯り続けています。私たち朝日新聞厚生文化事業団は、今後も皆様のご支援に誠実に向き合い、地域と若者がともに育む、持続的な支援のかたちを応援してまいります。