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最新のお知らせ

令和6年能登半島地震 災害支援
災害時の支援活動の協力に関する協定(大学ボランティアセンターへの支援)活動実施報告「神戸学院大学」(兵庫県)

2024年1月1日に発災しました「令和6年能登半島地震」について、本協定に基づき支援活動を実施された団体からの活動報告を掲載いたします。今回は「神戸学院大学」です。

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3月12日 いざ七尾市へ

1回目

助成金額

361,280円

助成金の使途

学生の現地までの交通費、現地宿泊費

活動実績

学生がボランティアとして、石川県地域振興課、(株)ぶなの森さんの協力で、内灘町等被災地の視察、七尾市災害ボランティアセンターを通じて被災家屋の災害ゴミの搬出、ゴミ分別場の片づけ等を行いました。石川県から1回につき10名とのお話だったので、競争率5倍だった活動希望者から選考し、2回に分けて派遣をしました。

参加者

第1クール(3/11~12)学生8名、引率者2名
第2クール(3/13~14)学生8名、引率者2名
合計20名

行程

1日目(3/11・3/13)内灘町視察(案内:ぶなの森 高峰博保 氏)
2日目(3/12・3/14)七尾市で活動(災害ボランティアセンター)

活動成果

被災地視察からの学び

現地の方の誘導で、砂地で土壌が脆弱な内灘町被災地域を視察しました。初日に視察を組み入れたのは、翌日の活動前にしっかりと被災地の現状を体感し、理解と意識づくりのためです。能登半島地域での活動実績のある方に案内いただけたことで、その目的は達成できたかと思います。

被災地への貢献

七尾市災害ボランティアセンターでの活動

3/12:ボランティア 53人(内、本学学生・教職員10人)ニーズ6件に対応し、5件が完了。
3/14:ボランティア 90人(内、本学学生・教職員10人)ニーズ17件に対応し、15件が完了。

→被災家屋から災害ゴミの搬出と分別場の仕分け作業等を行いました。
各地から集まるボランティアの方々と混合チームによる協働作業で、少しでも被災地復旧のお手伝いができたかと思っています。

活動風景・写真

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3月12日 ボランティア資材置き場の整理
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3月12日 災害ゴミ分別場の片づけ
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3月13日 内灘町被災街並み
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3月14日 災害ボランティアセンター様子
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3月14日 災害ゴミ分別活動

参加した学生からの声 ※参加学生の学びや意見(事後アンケートから一部抜粋)

  • 震災直後はみんなが関心を持っていても、段々報道されなくなると現地の現状がわかりづらい。今回の活動でまだまだやらなければならないことが山積みだと分かった。
  • 伝承館など過去の記録としてではなく、この目で復興のためにいろんな人が頑張っているところを見ることができた。
  • 雨天の中の活動がこんなにも体力を奪われると思っていなかった。この作業が猛暑や極寒だったらと考えると、活動は天候に左右されるので、うまく復興が進まないのではないかと思った。
  • 協力してテンポよくできると思っていたが、家の中の片付けをする作業は、沢山倒れているものがあったものの、住人の方が「後は一人で片付けます」というご意思で、あまり進まなかった。
  • 活動時はコミュニケーションを取ることの大切さを学んだ。自分の目で見たことを、もっと多くの人に共有しないといけないと感じた。積極性、自主性が大事だと感じた。
  • 自分たちが活動した内容が次のボランティアの人にバトンをつなぐという意識が芽生えた。人との繋がりが大事だと感じた。
  • 無力感を強く味わった。意味があることだと理解しているが、充実感を感じなかった。一日でブロック壁の撤去と家の中の片づけをしたが、助けがいる被災家屋が多いので復旧にどれだけの月日がいるのかと無力感を感じた。
  • 活動リーダーをしたけれど、リーダーシップも判断力もなくて、自分の力では上手くまとめることが難しいと感じた。
  • ボランティアを受け入れる側の組織力、ボランティア同士の報連相が改めて大切だと感じた。ボランティアのチームで連絡を取り合うことが大切だと感じた。自分ができることをするのが大事。
  • 一日の活動だったため出来ることが少なすぎた。一日では終わらない作業は、次の人に向けてちゃんと引継ぎをすることが重要だと思った。
  • がれきや割れたお皿が残る中、片付けようにも高齢のため思うように作業できないことを知った。本当は落ちた家族の遺影を元に戻したいけど、再び地震が来るかもしれない怖さと、それが落ちてケガをするかも知れない怖さで元に戻せないと言っていた。やるせない気持ちとおっしゃっていた。

今後の課題

  • 本報告の作成時点で、七尾市にテント村開設の情報を得ていますが、広範囲にわたる被災状況で、ボランティアが現地に入りやすく、活動しやすい環境づくりが課題と思います。
  • 今回、本学の受け入れ窓口となっていただいた石川県地域振興課さんから、「まだまだボランティアの力が必要だが、学生には、今回のようにボランティアだけではなく、被災地の状況を肌で感じるとともに学びの場もあるような機会を広く提供できないか新年度に向け検討したい」と言っていただいており、継続的なプログラムの計画に活かしてまいりたいです。
  • 特に緊急支援の場合、ボランティア、支援者のケアの必要性が言われていますが、参加学生の事後アンケートからも、少人数ではあるが、「無力感」「憂鬱」「イライラ」や「日常生活に戻ることに時間を要する」と回答した学生がいました。大学、受入れ団体等、ボランティアのケアの必要性についての認識を新たにする必要があると思います。

2回目

助成金額

135,040円

助成金の使途

現地までの学生の交通費

活動実績

学生が(株)ぶなの森さんの協力で、珠洲市被災農家の小豆選別のほか、穴水町、能登町の被災商店街の取材を行いました。

参加者

10名(学生8名、引率者2名)

行程

2024年6月29日(土)穴水町、能登町
2024年6月30日(日)珠洲市

活動風景・写真

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6月30日 穴水町の被災地商店街のお菓子工房 Hanon
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6月30日 珠洲市宝立町(津波被害のあった地域)を視察
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6月30日 避難所となっている小学校を視察
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敷地に仮設住宅が建築されていた。今後は仮設住宅での支援活動も検討したい

活動成果・参加した学生からの声

神戸からのボランティアとして
  • わずか1日ではありましたが、遅れていた農作業のお手伝いができました。本来であれば出荷時期でしたが、毎年手伝ってくれるアルバイトが被災して確保できない状況でした。
  • 神戸で実施している被災地応援物産展で取り寄せた能登の物産生産者と対面できました。神戸で販売する際の説得力や思いが強くなりました。
  • 発災から半年経過しているにもかかわらず、倒壊家屋がそのままの状態で、復旧が相当遅れていると感じました。そんな中「応援したい」、「忘れていない」というメッセージを神戸からの学生が伝えることができて、かけがえのない支援になったのではと思います。
学生が聞いた被災者の言葉
  • 穴水町のお菓子工房Hanon店長さんに「被災してもここに居続けるのはなぜですか」と尋ねると、「ここを離れる選択肢はありませんでした。ここが好きだから」とおっしゃいました。また、被災の中でお菓子を作る思いを尋ねたところ「避難所で『お仕事は何をしていたの?』と聞かれて、ケーキ屋ですと答えたら『また食べたい』と言われたのがきっかけ」とも教えてくださり、誰かの思いでお店を立て直し、ここまで来られたことを知りました。
  • 津波被害が甚大な珠洲市の被災者でもある復興リーダーの方の「何でもしてもらってばかりでは、人間としてどうにかなってしまいそうで怖い」という言葉が印象に残りました。私たちボランティアは、あくまでお手伝いであることを忘れないようにして活動しようと感じました。

今後の課題

学生から

  • 一方的に支援し続けることが被災者、被災地にとって必ずしもよいとは限らないことを知りました。支援の内容、時期、期間などはニーズに合わせて変えるべきだと感じました。
  • 交流イベントなどを一緒に考えて、住民の方が交流できるような憩いの場を作る必要があると感じました。
  • 地震によって環境は変わってしまいましたが、それをきっかけとして前向きに次に向かおうとしている方にお会いできました。その方々の思いを神戸で発信していくことが大切だと感じました。
  • お互いのことをよく理解した上で活動をしないと本当の支えにならないと思いました。
  • 直近でできることも大切ですが、長期的に支援ができる関係性を築くことが必要だと感じました。

引率者から

  • 現地コーディネーター(ぶなの森さん)の存在があって、本学の希望する行程が組めたことに感謝しています。遠隔地からの支援、応援にはどうしても限界があるので、現地とのつながりや連携を大切にしたいです。
  • 学生のコメントにもあったように、変化するニーズを捉えること、短期から中長期の視野でできることを考えていくことが課題だと思います。
  • 朝日新聞厚生文化事業団主催の活動報告会(7/6)で、本学学生に報告、グループディスカッションの機会をいただきました。大学生として「言語化」する機会提供は必須で、つなげることや伝えることの基礎となります。

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