~支え合う安心社会の実現に向けて~
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朝日新聞厚生文化事業団トップページ 最新のお知らせ 施設などで暮らす中高生へ “未来は選べる”を届ける「ぴあ応援フェス2023」を開催しました。

これまでの活動

施設などで暮らす中高生へ “未来は選べる”を届ける「ぴあ応援フェス2023」を開催しました。

希望を届けたい!

児童養護施設には、2万3千人以上の子どもたちが暮らしています。入所の理由で最も多いのは親などによる虐待です。子どもたちは、愛着障害やトラウマ、社会的経験や情報の不足など、様々な困難を伴う状況におかれています。それらが顕在化するのが、施設を離れ自立する時期です。

お金、学歴、頼れる親族、社会的経験、地域とのつながり。様々なハンディを背負いながら社会に出ていくことになります。また、子どもたちはそうした先輩たちの姿を見て育ちます。

10月14日、15日、こうした中高生に進学、就職をはじめ将来のための様々な情報を届ける「ぴあ応援フェス」を開催しました。フェスは、今回で二回目の開催で、2日間で、のべ約100人の中高生などが参加しました。

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オープニングセレモニーの様子1
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オープニングセレモニーの様子2

先輩学生たちが企画

準備したのは、児童養護施設や里親家庭などで育ち大学や専門学校で学ぶ、朝日新聞厚生文化事業団の給付型奨学金を受けている学生たち(応援生と呼んでいます)による「ぴあ応援フェス実行チーム」です。進学に関する自分たちの体験談や多様なの職業紹介を聞くことで、未来への希望を感じてほしいと企画を練りました。

職業紹介ブースでは、施設出身で政治家、教師、プロボクサーになった人など10名以上にプレゼンターを依頼しました。奨学金の申し込み、一人暮らしのノウハウ、お金のこと、自分の心との向き合い方を学ぶ講座なども作りました。気軽に先輩とおしゃべりできるプログラムも用意し、2日間で合わせて50以上のプログラムをそろえ、ZOOMを使って中高生が自由に選び、参加できるようにしました。

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オンライン進行の様子1
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オンライン進行の様子2

楽天モバイルも応援

初開催となった昨年度は、「参加したいけれど、参加する機器が無い」という中高生の声があり、フェスの開催に賛同してくださった楽天モバイル株式会社にスマートフォンの無償レンタルのご協力をいただき、応援の輪が大きくなったことは、ぴあ応援フェス実行チームにとっても、力強い後押しになりました。

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配信基地の様子
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配信基地で運営する応援生たち

子どもと大人での意見交換を初開催

今回初めて行ったのが、「進学・進路選択」をテーマに、子どもと大人がお互いの意見や思いを伝え交流するプログラムでした。司会の応援生が、「大人に干渉されたくないという気持ちが強い」、「稼げないという理由で自分の夢を否定しないでほしい」などの中高生から届いたチャットを紹介。大人からは、「子どものことを応援したいし、失敗してほしくないと思っています。そして、子どもの気持ちを尊重したいと思っています」などのメッセージが寄せられました。

「“自分の人生なのに、自分で決められないの?”と子どもが思ってしまうことがないような声かけが大切」、「大人が自分自身の経験したことを、失敗談も含めて正直に話してみてはどうか」、「中高生は、大人が子どものことを考えていることを理解することも大切」など、学生たちも体験をもとに思いを話しました。

進行役の応援生たちにも、「大人に言われてうれしかったことは?嫌だったことは?」などの質問も寄せられ、活発な意見交換がされました。

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配信中に打ち合わせる応援生たち

チャットで相互交流

2日間、中高生や応援生はチャットも使って様々な思いを語り合いました。
チャットに寄せられた中高生のメッセージの一部をご紹介します。

(名前は仮名に変更しています)

神奈川:はる(16歳) いろんなことが分かりました。ありがとうございました。
神奈川:のん(15歳) ためになりました。
熊本:まな(18歳) 勉強になりました。
愛媛:えり(14歳) みなさんの意見がすごく参考になりました!すごく楽しかったです。
熊本:みく 二日間、様々な応援生と会話をしたり。全国の中高生と意見を交流することができ去年以上に楽しく充実した時間になりました。また来年もぜひ開催してください。
静岡:なみ(15歳) 自分と同じような立場の方といろいろなことを共有できて学びのある時間でした。
兵庫:あらた(14歳) 少し自分に自信がもてた気がします!
静岡:なみ(15歳) 私も気持ちが軽くなりました!
熊本:みき いつか応援生として参加したいです!
千葉:かな(17歳) 今回聞いたことを参考に進路や将来に生かそうと思いました。参加してよかったですありがとうございました。
神奈川:のん(15歳) 応援生に私もなりたい。
静岡:なみ(15歳) 私もなりたい!
熊本:みき(15歳) 私も!!もっとたくさんフェス開催してほしいです!
神奈川:のん(15歳) 色んな話を聞いて安心しました。
熊本:みき(15歳) 一人じゃないって思えました!
熊本:まな(18歳) 楽しかったぁ~(★‿★) まだ終わりたくない!!
千葉:りな(16歳) 進学に対しての不安が大きかったんですけど、皆さんのお話を聞いて職員と話し合ったり家計簿を使ったりしてみて今後の道をより大きく開いてもいいかも?と思えるようになりましたありがとうございました。
神奈川:のん(15歳) 私もそう思いました!
熊本:みき(15歳) 楽しかったです!また来年会いましょう!
千葉:まさと(15歳) ありがとうございました。

最後に今回運営の中心となったぴあ応援フェス実行委員会マネージャーのかずまさんからのコメントです。

みなさん、ありがとうございます!

今回のぴあ応援フェスは1日目、2日目を通して、昨年よりグレードアップしたプログラム内容で行いました。特に、気になる進学ブースでは、昨年の意見より、経済や法律といった分野を取り入れました。また一人暮らしブースでは、奨学金や自立についての情報に加え、先輩方による一人暮らしの生活術などを話していただきました。それぞれのプログラムが、中高生や大人の方々にとって学びあるものになったと思います。

また、最後には、フィナーレを行い、今回のぴあ応援フェス実行委員、応援生3名、サブマネージャー、マネージャーから、中高生に向けて伝えたい思いなどをメッセージとしてお話ししていただきました。チャットには、中高生からの感謝の言葉が溢れ、このフェスの思いを届けられたと思える瞬間でした。

今回実施して感じた、課題等もありました。まだまだフェスを盛り上げていきたいと思います。来年もまたみんなでフェスへの参加お待ちしています!

ぴあ応援フェス実行委員会マネージャー かずま

主催・協賛

主催/ぴあ応援フェス実行チーム、朝日新聞厚生文化事業団
大人プログラム共同主催/なごやかサポートみらい
協賛/楽天モバイル株式会社