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朝日新聞厚生文化事業団トップページ 最新のお知らせ まなび応援フォーラム ~人生を選ぶ権利を実感できる社会へ~を開催しました。

これまでの活動

まなび応援フォーラム
~人生を選ぶ権利を実感できる社会へ~を開催しました。

23年9月9日(土)、「まなび応援フォーラム~人生を選ぶ権利を実感できる社会へ~」をオンラインにて開催しました。
自立援助ホームや子どもシェルターで暮らす方々が、たくさんの選択肢の中から、自分の人生を選び、それにむかって当たり前に努力できる権利が守られることを願い、開催したこのフォーラムは、自立援助ホームで暮らす利用者、養育者をあわせ40名の参加をいただきました。

共同主催のカリヨンこどもセンターから「まなび応援金」の制度説明を行ったのち、メインプログラムのパネルディスカッション「自分の人生を自分で選んでいく力」を実施しました。
特定非営利活動法人「ひだまりの丘」理事長の蛯沢光さんの進行のもと、まなび応援金利用経験者3名、社会福祉法人青少年福祉センター「清周寮」寮長の松本耕造さん、NPO法人「子どもセンターぬっく」理事、子ども担当弁護士の丹羽有紀さんが登壇しました。

ディスカッションでは、いくつかのテーマごとに進行され、それぞれについて様々な意見が出ました。その中の一部紹介します。

「まなび応援金のよかったところ」

  • まなび応援金があったから、通信制高校に行くことができた。学費とPC購入費用に充てられた。
  • 資格取得できたことで、現在の職場への就職につながり、今も活きている。
  • 高校3年生でホーム入居した場合など、アルバイトだけでは学費の捻出は難しい。選択肢の広がりと、また使途を限定しない形なので、その人に合わせた使い方ができるのがありがたい。

「なぜ目標や夢に向かって進むことができたのか?」

  • ホームの職員さんが一緒に進路を考えてくれた。具体的な進学先も紹介してくれたことで迷うことがなかった。
  • 早く自分で車を持ちたかった。それがモチベーションとなり仕事に就けた。

「子どもが自分の人生を選んでいくために、大人が必要なことは?」

  • 相談に乗る立場である中で、「現実的にはこうなんじゃない?」「それは難しいのではないか?」などと大人の価値観や現実的な制約を伝えることについてよく吟味しなければならない。まずは、子どもの話をきちんと聞いて、受け止めて、何とかそれを実現できないかを考えることが大切だと思う。一緒に考える姿勢が大切。
  • 自立援助ホームは「主体性の保障」を大切にしている。これは「失敗することの保障」とも言い換えられる。子ども本人の「選ぶ」を尊重し、その結果としての成功と失敗に責任を持つことも伝えながら、一生懸命さを大切に大人も一緒に考えることが大切。

「これからの将来を考えるとき、職員さんに伝えたいこと」

  • アルバイトからホームに帰ってきたときに、ごはんが用意されていたことが嬉しかった。
  • 仕事とかで嫌なことがあったとき、“程よい距離感”で相談に乗ってくれたこと。一人になりたいときも尊重してくれた。

このような様々な意見が交わされた貴重な時間となりました。

「意欲のない子どもはいない。自分で選んで決める機会がないと、なかなかやりたいこと、自主性・主体性が出てきにくい。子どもとの関わり方には、「正解」はなくひとりひとり異なるもの。暮らしの中で選択して決める機会を保障していくことで自立につなげていく姿勢が大切ではないか」というまとめがあり、フォーラムは終了いたしました。
これからも、一人でも多くのまなび応援金が子どもたちに届き、自分で人生を選ぶ権利を実感できることにつながるよう、この取り組みを続けてまいります。

最後に、フォーラムに参加いただいた皆さんのアンケートを掲載いたします。
(抜粋、一部省略)

  • 今は意欲の無い子どもへのかかわりについて、質問をしました。
    「今は結果が出ないかもしれないが、日々の積み重ねが必ず後で意味を持ってくる」という言葉にとても励まされました。どうしても「今何とかしなくては」と焦ってしまっている自分に気付くことができました。
  • 子どもたちが自立援助ホームで生活する中で何か問題に直面することは少なからずあっただろうと推測されます。職員が帰ってくる時間に合わせてご飯を作って待っていてくれることなど、毎日の小さな積み重ねが信頼関係につながっていくのだろうなと感じました。また、自分の人生を自分で決める機会を経て主体性が芽生えるものだというお話にとても共感しました。
  • 私は自立援助ホームに勤めて1年たちますが、今回、OB、OGの方や、携わっているかたのお話を聞けて、いろんな方向があるんだなという自分の中の視野が広がったように感じます。
  • 学業にばかりに使えるわけではない子たちもいましたが、今あるそれぞれの課題の解決に必ず役立てくれています。応援金の運営に感謝します。
  • アルバイトの給料だけでは賄えない部分がある子にとってまなび応援金は本当に助かっています。また、資格取得金があることによって運転免許等の取得に意気込みを見せる子もいますので、これからも活用していきたいです。