これまでの活動
連続セミナー 障がい児・医療的ケア児の親と就労
第1回 障がい児を育てながら働く 綱渡りの毎日
7月1日に開催しました
障がい児や医療的ケア児は、成長してもひとりで外出したり、留守番をしたりできるようになるとは限りません。子どもの年齢で区切ることができない障がい児育児と仕事の両立は、大変なままです。
障がい児や医療的ケア児をもつ親が仕事を諦めなくてもいい社会になることを目指して、障がい児育児と仕事との両立について現状と課題を共有し、必要な仕組みや支援制度について考えるセミナーを、障がい児及び医療的ケア児を育てる親の会(以下、親の会)と共催で7月1日にオンラインで開催しました。
第1部
第1部は、親の会のメンバーで障がい児・医療的ケア児の育児と仕事を両立している親数人が、これまでの歩みや、今どのような日常を過ごしているかなどについてお話ししました。
仕事と育児の両立の困難さについてだけでなく、一人で抱え込まず支援制度に頼る大切さ、職場に理解してもらう方法、また困難であっても働くことで育児を乗り越える力になる時があること、親としてだけでなく自分の時間をもつ大切さについて語りました。一方、障がい児育児に関する情報や相談先を探す困難さ明確になり、課題が浮き彫りになりました。
当日は約270名の参加があり、もっと詳しく話を聞きたかった、時間が足らなかった、勉強になったなど、多くの共感の感想をいただきました。当事者だけでなく、障害福祉支援に携わる方にも多くご参加いただきました。
第2部
第2部は、実際に障がい児育児をする親、約60名が参加し、3~5名ほどのグループに分かれてグループセッションを行いました。それぞれの自分の子育ての状況や困っていること、思いなどを話し合いましたが、時間が足らず自己紹介だけで終わってしまったグループが多く、時間配分について次回以降への反省点とし改善していきたいと思います。
一方、こうした同じ境遇の親とつながれる機会はほとんどなく、今度も続けてほしいという声も多くいただきました。
当日は、佛教大学社会福祉学部教授の田中智子さんをゲストに迎え、働く親の切実な実態に対して、個人的なこととして済ますのでは無く、社会の問題、政治的な事として考える大切さや、障がい児の親の負担が大きくて当たり前になっている社会の仕組みに対する課題などについてお話いただきました。
セミナーを終えて
想定していた参加人数を上回る多くの参加申し込みをいただき、障がい児・医療的ケア児育児と就労というテーマへの関心の高さを実感するとともに、まだまだ困難な状況の親が多くいる現実を目の当たりにし、こういった状況の改善に少しでも力になれるように、活動を続けていきたいと思います。
このセミナーは、10月頃に第2回「取り残される障がい児・医療的ケア児の保護者たち」をテーマに国の制度についてなどを学び、来年2月頃に第3回目「誰もが働きやすい社会を目指して」をテーマで開催する予定です。