ワークショップ「みんなで考える精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」「理想の地域風景」を作成しました
私たちが考える理想の地域風景
2022年7月31日に、ワークショップ「みんなで考える『精神障害にも対応した地域包括ケアシステム』」をオンラインで開催しました。北海道から沖縄まで、全国各地から、障害のある当事者、そのご家族、医療福祉関係者、行政関係者ら約150人が参加。精神障害のあるご本人の立場、家族の立場、両者を支える専門職の立場の方々の声を聴き、参加者とともに、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム(略称:にも包括)」構築の先にある、理想の地域のありかたを考えました。
そこでいただいた多くのご意見をもとに、朝日新聞厚生文化事業団では、ワークショップの実行委員会の皆さまとともに、「私たちが考える理想の地域風景」をまとめました。 この度、リーフレットが完成しました。精神障害のある人やその家族が、ご自身が望む場所で、心豊かに暮らしていける、そんな理想の風景です。
※画像を押すと、リーフレット(PDF)が開きます。
ワークショップ「みんなで考える『精神障害にも対応した地域包括ケアシステム』」
国が進めている「にも包括」の構築は、精神障害の有無にかかわらず、誰もが安心して自分の希望する暮らしができるよう、医療、福祉、住まい、社会参加、地域の助け合いや理解が、包括的に確保されることを目指していますが、現場での実践は、まだまだ手探りの部分もあります。このワークショップでは、「こうあってほしい」という理想の地域を、生活の中の様々な場面を表現したイラストを用いて具体的にイメージし、一人ひとりが実現のためにできるアクションを考えました。
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の藤井千代さんが「にも包括」の理念を解説。また退院後9年間一人暮らしをしている当事者、子どもの立場の家族、東京都江戸川区で地域資源のネットワーク化に携わっている支援者が、それぞれの立場から、地域に望むことや課題となっていることを発表しました。その後、数人のグループに分かれ、理想の地域のありかたや、理想に近づくためには、どのような支えが必要か、考えを深めました。
理想の地域をつくるためのアクション
みんなで考えた理想の地域を実現するために、一人ひとりが実践することを出し合いました。ご参加の皆さまからいただいた「宣言」をご紹介いたします。
- 利用者さんの言葉に耳を傾け、知恵にして、相応しい機会で発信していきます。
- 節約して人生の選択肢を増やす。同時に福祉の情報を集める。
- 家族に役立つ支援の場をさがしてみます。
- 自分の地域で「にも包括」について、どの機関が何をしているのか調べます。
- 精神保健福祉士として恥ずかしくない仕事をする。生活保護CWの立場だと丁寧な関りを非効率な関りととらえられて上司から叱られることがあるのですが、必要なことはします。
- 医療過疎地域ですので(医療機関がない、隣の市まで行かないと、受診できない。公共交通機関がバスのみ。本数が少ない。)クリニックをつくるぞ!そのためにDrを探します。
- 勇気を出して知らない地域の人と今日みたいに話をします。
- 所内で本日のワークショップでいただいたご意見やご感想を共有させていただきます。
- 当事者が自信を持って生活できる環境つくりを支援します。
- 当事者・家族・事業所職員・行政の方から話を聞く機会があれば、現状を理解するようにしたい。そこで知った現状を、色々な機会に伝えていきたい。自分の地域で居場所づくりについて、考えていきたい。
- 障がいを理解できていない法人内の職員たちに理解周知するように働きかけていく。
- 当事者、家族、支援者、関係者、学生がフラットに話せる場、機会づくりを始めます!
- 今日の研修を支援に反映させる。
- 安心な、心地よい居場所づくり。
- 家族や、家族会の方、友人に今日学んだことを話し、私の願いを伝えます。
- 今まで推進してきた活動を、その中でも特に現在注力している「普及啓発事業」の強化を継続して推し進める。現在の活動の発展的拡大的な展開です。
- 関わるさまざまな方々の良いところ探しをしていきたい。
- 全ての人に対して、お互いに唯の人どうしとして接しあうことを始めます!
- ピアさんの居場所作りを始めて1年半以上になります。だいぶ慣れてきたので、少しずつ仲間を増やすことを始めます。
- 当事者の視点に立った支援や地域づくりを心がける。
- もっと(ニーズに)気づけるように、困っている事を相談してもらえる様に、相手の事や事実をよく知って、安心感を高められる様に働きかける事を始めます!
- 地域に対する普及啓発において「民生委員勉強会」を行う。(9月21日よりスタート予定)
- 障害のある当事者・家族が生きづらさを無くして行く活動をしたい。
- 少しずつ地域福祉活動。あとは、各県に一つはあるべき、家族の情報交換や学習推進をメインにした、常設のセンターづくり。
- 能動的に生きていく…
- 今年度始めた「にも包括研究会」を継続し、当事者や家族・支援者・行政等(来るもの拒まず)いろんな立場の方と定期的に集まり、楽しく議論を重ねていきます。
- ピアサポーターを養成し、当事者による当事者宅への友愛訪問の機会をつくっていきます。
- ADHDグレーゾンで高齢者だからこそ、ソーシャルワーカーを目指します。
- 私は明日から、「子供に連絡」を始めます。
- 自分の中にある偏見に気づいていきたい。その気づきを増やしていきたい。
- この信条を忘れずに、出来るところから少しずつ取り組んでいきます。みんなでよい社会を作っていきたいです。
- 「自分のことをありのままに話せる場」を地域に少しずつ創っていきます。
- 今回学んだことを友人と共有する。地域で関わりをもてるように講習会などに参加する。
- 職場の人や関係者と研修を受けて得た気づきを共有します。そして一緒にこの地域が暮らしやすいものになるように協議を続けていきます。
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リーフレットについて
「私たちが考える理想の地域風景」のリーフレットをご希望の方は、以下係までお問い合わせください。
朝日新聞厚生文化事業団 包括ケアワークショップ係
Mail:caresystem★asahi-welfare.or.jp
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