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虐待を受けた子どもたちの「その後」は、あまり注目されることがありません。トラウマや様々な辛さから回復し、人生を前向きに切り開けるようになるまでには、物心両面でさまざまなサポートと長い時間が必要だと言われています。
十分な支援が届かないままに10代後半になった子ども、若者が暮らすのが、自立援助ホームや子どもシェルターです。7割以上に虐待を受けた過去があり、勉強どころではない環境で育ったことで最終学歴が中卒、高校中退の子どもが多くいます。
彼ら、彼女らに、学ぶことを通して自信を持ち、人生を自分で選べる力があることを知ってほしい。私たちはそう願い、2020年5月に「まなび応援金」(奨学金)をスタートしました。
自立援助ホームや子どもシェルターで暮らし、高校などでの就学や資格取得に挑戦する30歳までの若者に「就学金」(最大年間24万円)と「資格取得金」(一人最大15万円)を給付。
延べ1130人に1億2551万981円
「応援金を受け取った高校生は、月2万円分だけ働かなくてすみます。その時間を高校生らしい『子どもの時間』として過ごせるのです」まなび応援金の事務局を担う「社会福祉法人カリヨン子どもセンター」事務局長の石井花梨さんは語ります。
同センターは、東京都内で複数の自立援助ホームや子どもシェルターを運営しています。石井さんは入居中の子どもたちに「学びはあなたの人生を豊かにする。学校へ行きたいなら応援するよ」と伝え続けています。
高校で学ぶことは、職業選択の幅が広がることはもちろん、コミュニケーション力、社会的な振る舞いや問題解決のスキルを身につけることにも役立つからです。また、「子どもの時間」を十分に過ごすことと、仕事や生活の選択肢を増やすことは、人生でつまづいた時に再起を左右する鍵になると石井さんは思っています。
まなび応援金についてホームの高校生たちに説明したときの反応は、喜びというより、見ず知らずの人たちが自分をサポートしてくれる、そのことへの驚きが勝っていたそうです。それまでの経験から、大人や社会への不信感でいっぱいになっていた子どもたち。多くの方の寄付が集まって、自分が学ぶための応援として届けられたことに、「自分の存在が認められたと感じているようにも見える」と石井さん。
社会全体で子どもたちの育ちと学びをサポートしてもらえることが、本人たちの力となり、あたたかく、明るい未来へつながると希望を見いだしています。
こども応援金をはじめとする私たちの実践は皆さまのご寄付に支えられています。ご寄付は、常時受け付けています。ご協力をいただけますよう、よろしくお願いいたします。